「テレビドラマの脚本の勉強」はプロの作家になるためのもので、それを独学でしているという理解で正しいですか? 1000円程度の市販の本でもある程度は説明があったはずですが、一通り調べました? 作家には調査力が必須ですよ。
まず、分量でいうと、シノプシス→プロット→シナリオの順で多くなります。シナリオ公募ではよく原稿用紙2枚程度のシノプシスの提出も求められます(シノプシスをちゃんと書けないようではそこで弾かれます)。
それから、シナリオライター、プロットライターはいますが、シノプシスライターはいないはずです。シナリオに携わる者なら、シノプシスは誰でも書けねばならないし、書けるはずだからです。
プロットライターについては、私の認識では、シナリオライターを目指す卵が、修業として書くか(この立場を手に入れるには、公募である程度認められる、実力はないけどコネがある等)、長年修業してきたがシナリオライターにはなれず、生活のために書くという感じです(そのプロットを元に別の[売れっ子]シナリオライターがシナリオを書くことになる。プロットライターの名がスタッフクレジットに出ることはない)。ただ、多くのシナリオライターはプロットも自身で書きます(連続ドラマの場合では、行き詰まって、後半はプロットライターの力を借りることはあるとしても)。プロット→シナリオの間には、プロデューサーによるダメ出しも何度かあるでしょう。また、信頼のおける脚本家ならプロットは省くことも可でしょう。
プロットの明確な定義は難しいと思いますが、私見では、シナリオの完成形から台詞と細かい設定を引いた、完成度でいえば40~60%くらいの「あらすじ」です。プロットの書式に決まりはないでしょうが、シナリオの書式に準じた方が関係者は読みやすいのではないでしょか。このプロットの必要性は、特に連続ドラマでは、撮影スケジュールが立てやすくなるという面があると思います。なので、台詞や細かい設定より、「柱(はしら)と人物(ドラマの中での場所・時間や季節・登場人物、など)」の情報を早く確定したいのです。これは「ハコ書き」とも関連します。ハコも分量によって「大ハコ」「中ハコ」と呼ばれます(「ハコ」をご存知ないならご自分でお調べください)。
「ストーリー」という言葉は、どうでしょう? 業界で、「プロット見せてよ」、「シノプシス書いてみて」の感覚で使うことはないように思いますが。
とりあえず、独学ならば、映人社の月刊「ドラマ」(840円)の定期購読をお勧めします。小さい本屋には置いていないですが、送料無料で定期購読できるはずです。現在放送中のドラマのシナリオの掲載が特徴で(例外もあり)、毎号の特集は脚本家を目指す人向けのものが多いです。バックナンバーでは、1999年10月号がまさに「プロットの書き方」だったようです。
お礼
ご回答いただき誠にありがとうございます。しかしすごいです。かなりお詳しく書いてあって脱帽しました。 一応スクールに通っています。初回で君塚良一という脚本家の講義がありました。プ ロットとかはまだそこまでの段階に来てはいませんが、予習も必要ですよね。 月刊ドラマも知らなかったです。早速読んで見ます。 本当に参考になりました。ありがとうございました。