薬に似た効果が発現するとしたら副作用も厳格に管理されるべきで、温泉営業には薬剤師や医師を設置しなければならないとする法律ができているだろうと思います。
また国から見て、医療リソースを消費せず、保険料を払わなくても済むことになるという意味でもあるので、明確な効果があるとすれば政府・行政は並々ならない費用を投じて温泉をPRするはずで、ですが実際には鄙びて潰れていくのを見守るだけなのは、つまりそういうことでしょう。
次に、薬や毒物を含めた人体に影響する物質が効力を表すのは、効果を与える箇所に与えた場合で、温泉にビタミンが豊富に含まれていたとして、経皮吸収されるビタミンは非常に微量ですから、ビタミンを経口摂取した時に得られる効果を温泉から得ることはできません。
そればかりか現代では水虫に感染するのは温泉と銭湯がほとんどを占めていて、それと比べると顕著に少ない次点がプールだそうです。人為的に塩素を添加している分だけ少なく、塩素半径から漏れる更衣室が原因と考えられています。
同様に使い回しのスリッパが感染経路だとも分かって以来、かつては町のクリニックではスリッパ履き替えが一般的だったのが、土足のまま入る形態へ移っていきました。
起こるたびに全国ニュースに取り上げられることがないだけで、温泉ではレジオネラの検出は高頻度で起こっています。体力低下中に感染すると死亡リスクが低くない感染症です。
今年、記事になった分だけでも死亡数は2人以上で、感染者数から見て無視できるほどは少なくありません。
など、どちらかというと欠点の方が多く、衰退は自然な流れに思えます。
それ以外にも例えば、温泉街は全国のどこへ行っても 「土産物は全国の温泉地と同じものが売られていて、刻印・焼印の地名が違うだけ」とか「24個入りか48個入りの饅頭しか選択肢がないが、欲しいのはせいぜい4個(理想は1個)」というのはごく近年こそ少し改善傾向はありますが、よく知られた話ですね。
「宿から出ても源泉を眺める1分以外に見どころがなく、館内で別にやりたい訳でもない卓球をやって時間を潰す」だったり「山深い場所の旅館をわざわざ選んで来てるのに、料理がどうしてマグロとサーモンとイカの刺身なのか」等と、まあ、およそ観光地とは呼び難い怠慢が当たり前だったのが、それは変だと気付いた情報感度の高い人にほど不人気で、そういう人たちが無視し始めた時から衰退が始まったのだと思います。
嗜好品のひとつとして、好きな人が楽しめばいいのではないかと思います。薬効はありません。