東海道新幹線ができたときと理由は同等です。
東海道新幹線を作るかどうか検討していた時、今の新幹線のような(当時としては)超高速の路線を作ることを前提に検討したのではなかったのです。
単純に東海道線の輸送量が年々増加しており、将来的には複線のみでは輸送しきれなくなることは、誰の目にも明らかでした。
輸送を増強するには、全線において複線の線路増設が必要になりますが、一部地域を除き在来路線に並行して複線の線路を増設するのは困難である為、少し別なルートを通るものの、主要駅では在来の駅と合流する、長距離、優等列車専用の線路を増設する方向で検討しました。そして、その検討の中で、どうせ別ルートで線路を増設するなら当時の技術で可能な限り高速な路線とした方がよい(在来と同じ技術の路線なら当時既に懸念されていたマイカーへの移行が始まったときに、路線全体が無駄な投資になりかねない)ということで、今の新幹線方式で建設されることになりました。今でこそ少なくとも東海道新幹線は大成功で、これを参考に海外でも同様な高速鉄道が生まれましたが、新幹線の成功がなければもっと局所的にしか実現されなかったのではないかとも言われています。実際、当時は歓迎論が多い中、鉄道に詳しい人ほど、(たとえ高速化するとはいえ)今後斜陽化していく鉄道を新たに大規模に作るのに否定的な声も大きかったようです。
中央新幹線も同様の事情です。
東海道新幹線の時と違って、絶対作らないといけないかという点に関しては、疑問の声もありますが、作ることを前提にするのなら、今更東海道新幹線と同程度以上のものを作っても、今後陳腐化し、経営的に有利になるものとはならないのは明らかです。
で、鉄道車両は車輪でレールを走る構造のままだと理論上は最新の新幹線より少し速くするのができる程度で、それを大幅に速くすることはできないとされています。そこで、他の方法を古くから模索しており、その中で現時点において安全性等も加味して実現できるのがリニアモーターカーのわけです。現在の新幹線より大幅に速くなければ折角巨大なコストをかけて作っても利用者が増えるわけではありませんので、今の倍ほどのスピードで走るものを目指したわけです。それは在来線がせいぜい時速100キロ程度で走っていた中で、時速200キロの東海道新幹線を作った時と同じです。ただ、何十年先にリニアも老朽化した際は、さらに早いものができたとしても1時間程度の所要時間が30分程度になるだけなので、同じような考えになるかどうかは疑問です。
補足
普通の鉄道方式では駄目なのですか?