ブラックバス、ブルーギルの害魚問題について
今後、ブラックバス産業が公に?認められることは無いんでしょうか。
10年前の大ブーム→大バッシングから時間が経ち、
最近は大がかりな駆除もなりを潜めていますが、関心の薄い人からすると
「ブラックバスは悪い魚!駆除!!」
という意見で固定されていて、ブラックバスはもちろん、他の魚も釣る雑食な釣り人である私としては悲しい気持ちです。
自然保護的な観点から見て、ブラックバスが悪影響を与えていないとは思いません。
閉鎖的かつ小さな水域に一定数以上のブラックバス/ブルーギルを放せば、ヘタをしたら
数年内にバス/ギルしか存在しない池になり、最終的には生き物がいなくなってしまうでしょう。
ただ、駆除ブーム時代の
「早くバスを根絶やしにしなければ、日本の魚は全て絶滅!」
というような状況にならないことは、既に証明されていると思います。
爆発的に増えたブラックバスは、当然の帰結として今個体数を大きく減らしています。
これは駆除の効果ではありません。爆発的増殖をした種は、その後個体数を減らし、
やがては一定数に落ち着くものです。
これは、ハエをはじめとした実験で証明されている自然の摂理です。
もちろん、これは結果論であり
「だからブラックバスは悪くない!」
とは言いません。単に「絶滅はしなかったね」というだけで、
バスがいない方が在来魚に良い環境だと思いますし、
そもそも自然環境が人為的に変化してしまったことが問題なのですから。
それに、今個体数が減っているとは言っても、さらに10年後、20年後
100年後にどうなっているかはわかりません。
地球温暖化により降雨量が減り、水の流れが寸断され、水温が上がっていけば、
在来魚よりバスに都合の良い環境が揃うわけで、また爆発的増殖が起こるかもしれません。
逆に、大型の水鳥が大繁殖して、メインターゲットがバスになる可能性もあります。
先のことはわかりません。
ただ、いずれにせよ人為的な駆除は、小規模なダムなど完全に水抜きができる
環境でないと、根絶は不可能で、根絶しなければ意味が無いということは
水産関係者、自然保護主張者も理解できているはずです。
(経験上、早々に駆除を諦めた湖、ダムよりも、未だに駆除を続けている水域の方が
バスの個体数は多いです。サイズは小さいですが)
であれば、バスの駆除は諦めて、バス釣り産業との共存という考えに
シフトした方が絶対に得だと思うのですが、何故そうならないのでしょうか?
言っちゃあ何ですが、淡水水産業の規模はびっくりするほど小さく、
また、後継者もいません。完全に消えゆく産業です。
日本の自然環境の保護は素晴らしいですが、バスを根絶できる、
あるいは駆除を続けることで在来の自然環境を保てると、
駆除派の人は本気で考えているのでしょうか?
「やったもん勝ち」
みたいで良くないですが、事実上根絶が不可能で、かつ利用価値があるのであれば
利用した方が良いように感じるのですが、いかがでしょうか。
ヘラブナも鯉も、釣魚として人気の魚で、放流もされていますが
いずれも自然には存在しない魚です。
魚食魚ではないため、在来魚種に対するインパクトはバス等に比べたら
圧倒的に少ないでしょうが、それでも良い影響は与えていないでしょう。
彼らのように、いずれバスも
「そこにいてあたりまえの魚」
になる未来は無いのでしょうか?