子どもの不適切な行動というのは、すべて親の注目を引くために行われています。そして次の四つの場合があります。
(1)自分の行為が不適切だと知らないでやっている。
「そんなことするのは悪いことだと思う?良いことだと思う?」と冷静に聞いてみると分かります。(1)の子は「良いことだと思う。」と答えます。そしたら、「ママは良くないと思うけどな。」と言って話し合います。そして適切な行動を取ると「ママ好きだなあ。」とか言って、適切な行動を取ることを勇気づけます。
(2)自分の行為が不適切だとは知っているが、適切な行動を知らないとき
子どもは自分の行為を「悪いことだと思う。」と答えます。でも「じゃあ、どうしたらいいと思う。」と聞くと、「分からない。」と答えます。親は「ママはこうしたらいいと思うんだけどどうかな?」と適切な行動を2、3提案します。そして、「どれをやってみる?」と促します。そして、子どもがどれか一つを選択したら、「うあー、○○君がそうしてくれると、ママうれしいなあ!」と笑顔で勇気づけます。
(3)自分の行為が不適切であると知っていて、適切な行為も知っているが、適切な行為では親の注目は得られないと思いこんでいるとき
この場合、子どもはかなり「勇気をくじかれて」います。簡単に言うと不適切な行為には注目しないで、不適切じゃないときにどんどん注目してあげると良いのですが、専門家に相談するか、本やセミナーで適切な親子関係を学んで対応するのが良いでしょう。
(4)自分の行為が不適切だと知っているが、不適切な行為で十分に親の注目を引くことに成功している場合。
親の注目には叱ることも含まれています。叱られても叱られても同じような行為やあるいは手を変え品を代えて不適切な行為を続けるとお感じになったことはありませんか?これは、「叱られても同じことをする」のではなくて、「叱られるから同じことをする」というのが正解です。007711さんのお子さんの場合これかもしれません。「何度言っても怒っても効きめがない」のではなくて注目して怒るからやり続けるのです。
また、親の注目が足りないと思いこんでいる子は、正の注目(ほめたり、勇気づけたり)をくれないのならせめて叱られたり罰をもらおうと思います。(もちろん無意識的にですが。)だから、叱って欲しくて不適切な行為を繰り返すのです。
あるいは、不適切な行為に負けて甘やかした場合(たとえば大泣きに負けて「よしよし」とご機嫌を取ったりする)も当然、不適切な行為で一番欲しいものを得ているわけですから、不適切な行為は続きます。
対処法は(3)と同じですが、より困難です。親は根気強く不適切な行為に対して甘やかしも叱ったりもしないようにして、かつ不適切じゃないときに積極的に注目を与えるようにしなければいけません。
一番良いのは、機嫌がいいときにたくさん笑いかけたり、たくさん話しかけたり、抱きしめてあげると良いでしょう。私は二人の娘に小さい頃からよく「パパは○○ちゃんが一番好きだよ。」とささやきかけています。するとたまに「じゃあ××ちゃんは?ママは?」と姉妹の片割れのことや妻のことを聞いてくるので、そのときは「××ちゃんも(ママも)一番好きだよ。」と答えると納得します。
次の本を参考にされると幸いです。
アドラー心理学の愛と勇気づけの子育て「僕お母さんの子どもでよかった」 岩井俊憲/坂本洲子 著 PHP出版