臨床心理士です。
WAIS-IIIを受検されるに至った理由があるかと思いますが、それが分かりませんので、数値的な結果をざっと拝見したところでいくつか書かせていただきます。
全検査IQは平均的な範囲よりやや低いものになっています(ただし、本来は誤差の範囲も含めて解釈をします)。
言語性IQと動作性IQは、最近の研究ではその根拠が十分でないと考えられるようになり、また、群指数(言語理解~処理速度)を解釈する際には、これらは解釈しませんので、割愛します。
群指数には、大きな差があります。
群指数はIQより細かく、認知能力を見ています。
これに大きな差があるということは、能力的な得手・不得手が大きいことを示しています。
日常生活や、お仕事の上でお困りのことがけっこうあるのではないかと思われます。
下位検査の評価点を見ても、高低の差がかなりあります。
このように、群指数・下位検査評価点にかなりのバラツキがありますので、認知的なアンバランスがおありだといえます。
学生時代、学業にかなり苦労されたり、科目や学習内容によって得意・不得意の差が大きかったのではないかと推測できます。
また、上にも書きましたが、現在でも、日常生活や仕事の上で支障があってお困りではないかと思われます。
言語的な能力はともかく、段取りよくものごとに取り組むことや、暗記・暗唱・暗算、話を聞きながらメモを取るなどのマルチタスクが苦手、なくし物・忘れ物が多いといったことがありませんでしょうか。
視覚的な情報の認知、理解にも苦手なところがあるかも知れません。
このように考えますと、「問題ない」とはちょっといいがたい結果であると私は考えます。
可能でしたら、受検なさった医療機関で、学生時代の様子(とくに学業など)、現在の日常生活や仕事の上で困っていらっしゃることと、このWAIS-IIIの結果との関連性について、詳しくお尋ねになることをお勧めします。
その際には、検査を実施してくださった心理士さんに相談してください。
それが困難なようでしたら、他の医療機関や、相談機関へ、セカンドオピニオンを求めたり、コンサルテーションをお願いすることをお勧めします。
お礼
詳しくありがとうございます 経緯としては社会人になってから周りと上手く馴染めずに不眠や腹痛に悩まされていました。 最終的に働けない状態になり精神科を受診したところ鬱病と診断されました。 個人的に根本的な原因を探らないと一生鬱のままだと思い幼少期から振り返ったところ コミュニケーションの難や物忘れマルチタスクが出来ないなどADHDの特徴に当てはまることが多かったので知能検査をお願いしました。 しかし医師からの回答は問題なしと一言で終わり心理検査技師も同席なしであっさりと終わってしまいました。 その後ネットで調べると数値がやはり異常なので医師の問題なし発言を疑いこちらに投稿させて頂きました。