締切済み

償い(長文)

2020/06/01 16:17

私には、会ってみたいと思える女性がおりました。ある婚活アプリで知り合った女性です。ある日、「お会いしませんか？」と彼女の方から誘いがあったのに、何日も遅れて返信してしまった為に、彼女はもう返事が来ないと思い、あっさり自分のメアドを捨ててしまいました。どうやら、彼女は私を詐欺師か何かと疑っていたようで、最初から捨てメアドを使っていたようです。無理もありません、私は初めに車通勤だと言っておきながら、あとから電車通勤だと言ったり、会ってもいないのに、彼女の親の介護をお手伝いできれば、と言ってみたり、彼女の住む地下鉄沿線でマンションを探していると言ったりしていたので、ちょっと怪しく感じていたのでしょうか。今思えば、彼女は初めてのネット婚活で、私と初めてメッセージ交換したようでしたから幾分警戒していたのでしょう。本来なら、自分の返信が相手に届かなかったら、縁がなかった、と思って気持ちが治まるはずなのに、私はそうはならなかった。なぜなら、仕事中心の毎日で恋愛経験が乏しいことに強くコンプレックスを抱いていた私は、揶揄されたのではないかと思ってしまったからです。私が幼稚であることを見透かし、私の気持ちをもてあそび、馬鹿にし、笑っているのではないかと思ったからです。それから、私は彼女に対する見方が変わり、婚活アプリの掲示版で彼女を攻撃するようになりました。あの時、なぜ、私は広い心で歩み寄りができなかったのでしょうか？私は彼女の捨てたメアドをたどり携帯をハッキングし、盗撮、盗聴、GPSで彼女を追い回しました。好意が怒りに変わり、そして執着へと変貌していったのです。遠隔操作に気づいた彼女は何度も初期化をし、私は何度も彼女の携帯に入り込みました。 wi-fi環境の整った店で彼女が２度目の初期化をしょうとした時、私はひとりの部下を彼女の元へ寄越しました。データを埋め込むためです。感の鋭い彼女はパソコンを開いている部下が私と関係のある人物だと気づき、一緒に来ていた母親に私とこれまでの経緯を大きな声で話し出しました。彼に聞かれるように。彼女は助けて欲しかったのでしょう。部下はありのままを私に話してくれました。私はすぐに過去のメールのやり取りを復元し、すれ違いであったこと、彼女に悪意がなかったことを確認しました。なのに、なぜ、私はストーカーをやめなかったのでしょうか？なぜ、これまでのことを反省し、謝罪できなかったのでしょうか？ある日、いつものように彼女の携帯の中を覗くと、私に宛てた一通のメールがありました。もうこれ以上、ストーカーをして嫌がらせをするのをやめてほしいと切に綴った内容でした。それでもなお、私はストーカーをやめなかった。悪魔と化した私の姿は部下たちにの目にどのように映っていたのでしょうか。彼女は、いろいろな悩みの掲示版をよく見ていました。彼女はスマホを使いこなせておらず、ネットもそのようでした。その弱みにつけ込んで、彼女のよく見る掲示版に彼女にしか分からないような中傷を織り交ぜた内容の悩みを投稿するようになりました。毎日、毎日、書き続けました。毎日、毎日、書き続けるうちに、心が痛み、切なく、歯がゆく、どうしようもないもどかしさにもだえ苦しむようになってきたのです。「会って話がしたい」と書き込む自分がいました。大馬鹿者です。精神が分裂しています。でも、私が苦しむ以上に、彼女の方がもっともっと苦しんでいたのです。誹謗中傷に胸を痛め、涙し、2年半もの間耐え続けてきたのです。なぜ、私は彼女の苦しみをわかってあげられなかったのでしょうか？彼女にとって私とのメールのすれ違いは、「たったそれだけのこと」だったのに対し、私にとってはそうではなかったことを、彼女は気づいていたのです。だから、彼女は沈黙し、我慢し続けてきたのです。私は一体、彼女の何を見てきたのでしょうか。彼女の気持ちも考えず、「たったそれだけのこと」が許せずに、2年半もの間、中傷を繰り返し、生産性のないことをし続けてきたのです。私はここの掲示版でもいろいろな人物になりすまし、悩みをたくさん投稿してきました。彼女を檻の中にいるゴリラのオバサンと称し、罵倒しました。彼女の母親に対しても、中傷しました。なぜ、私は、泣き崩れる彼女のことを想像できなかったのでしょうか？私自身、一体いつまでこんなことを続ければ気がすむのか？私がストーカーをやめれば、私も彼女も心の苦しみから開放されるではないか。本当は頭の良い私だから、わかるはずなのに。もう、やめよう。もう、ストーカーはやめよう。そして、償おう。彼女が幸せになることを遠くで祈ることが、私の償いなのです。長文を読んでくださり、ありがとうございます。「彼女」とは、投稿者本人です。「私」であるストーカーがこれを読んで改心することを願います。人生相談になってなくて申し訳ありません。これを読んでどうお感じになりましたか?