プロならそんなドジやらない… って不文律すら怪しい世の中だから 心配になっちゃうんっすよね?実際直すはずの整備工場で壊されたりするから。
身近な所だと市販のプラモデルやミニカーの塗装を落としてみると分かるんですが たかがおもちゃの塗装ですら 研磨で落とすのってひと苦労なんです。100円ショップで適当なミニカーとサンドペーパーセットを買ってやってみると よく分かりますよ?
逆に言えばバンパー擦って傷ついた とかの負荷って想像超えて大きいモノだった って事なんっすけどそれはさておき
業者が用意している研磨材って粗くて大体1000番前後で、市販のクレンザーより細かい粒子で 金属磨きの定番品『ピカール』が大体この位の番手なんです。研磨材やサンドペーパーなどの研磨に使うモノの番手って数字が大きくなればなるほど細かくなるんです。
一般家庭でメッキや銀食器や金属の表面の曇り(大体埃や手垢が静電気付着したか黒錆化したか)を削ぎ落とすのがせいぜいの能力しかない奴で磨くから なるほど表面は削ってるけど 塗装表面よりまず表面についた汚れの層を落とすのに費やされるんですね。
ところが磨き上げの本当のプロに言わせると「ピカールは(専門職以外は)使わないほうがイイ」というほど『目が粗い』と判断させるのだから よく考えるとすごい世界があったモンだ なんっすけど
いわゆる鏡面仕上げって手法は1000番程度の研磨材で磨いたら さらに1500番で磨いて さらに2000番で磨いて… と4000番か6000番か それ以上の研磨材迄使って 研磨材で削って荒れた表面を均していく作業なんですね。
実際クルマのコーティング作業の研磨って 厳密に言う1回塗装面まで研磨して鏡面仕上げしたものをガラスやフッ素や樹脂などで保護するために塗る 1回表面を保護したらその後は保護しているガラスやフッ素や樹脂などの表面を削って均して補充する って発想なんです。
もっとも最初の作業の塗装面の研磨も クルマの塗装自体が3層4層5層と 車種によって異なりますが重ね塗りした所に何層かのクリア塗装を施しているんで 一旦クリア塗装の上っ面を薄くうっすく剥いて 薄くした分を補うようにもっと強力な奴で保護しよう って作業なんっすよ。
このトップコートの耐久性はっつーと… 最初に触れたプラモデルやミニカーの塗装を落としてみようの大会で「引くほど大変」って話をしましたね?こっちの予想を超えて 丈夫です。
蛇足ながらナントカコーティング っつってコーティング界にも系列があるでしょ?アレはコーティング被膜がそこのメーカーの奴 ってだけじゃなくて下準備の研磨に使う研磨材や研磨用の道具一式も提供(一部契約業者専用のレンタルの場合もあり)してるから 現場では「最初はこの色の奴 次にこの色の奴…」と指示すれば素人に毛が生えた程度の自称プロ でも出来ちゃうようにマニュアル化されてるんっすよ。
逆に言えばこの理屈さえ押さえていればプロじゃねえの?な凝り性の素人でも出来ちゃう作業なんですね。もっとも基本はこうです と実践できても「そこから先」が奥深い世界なんですけど。
自慢ですが 俺は自分でやってます… 本職で漆を磨いてますから。