こんばんは。
腸などのお腹の臓器が入っているお腹の空間を腹腔といいます。
腹腔は腹膜や筋膜といった膜で覆われ、その外側に筋肉、皮下脂肪、皮膚があり中の臓器が守られています。
鼠経ヘルニアは、
足の付け根(鼠経部)部分で筋が弱くなっていて(穴が開いている感じです)、そこから腸が腹膜を押して、皮膚や皮下組織側に飛び出している状態です。
お風呂で暖まったりして筋肉が緩んだり、上を向いたりすると、穴から腸が腹腔側に戻ってヘルニアはへっこみます。外からおしこんでも引っ込みます。
それを繰り返しながら、腹膜が徐々に緩んで、腸が入り込む部分(ヘルニア嚢)がだんだんと大きくなっていくこともあります。
ところが、腸が皮膚側に飛び出ている間に腸が炎症を起こしたり、ガスがたまったりでヘルニア嚢のなかに腸がパンパンに詰まってしまうと、狭い穴から腹腔側に戻れなくなってしまうことがあり、嵌頓(かんとん)といいます。
腸は血管で栄養されており、嵌頓すると、狭い穴で血管も押しつぶされて、陥頓している腸に血流(酸素と栄養)がいかなくなることで、腸が腐ってしまいます。
軽い痛みであれば、完全な嵌頓状態でなくても生じることはありますが、
痛みが強くなってくる場合、押し込んでもヘルニアが引っ込まなくなっている場合は陥頓している可能性大です。
腸が腐る前に、手術で腸を腹腔側に戻して、穴をふさぐ必要があります。
押して引っ込むようであれば大丈夫ですよ。
お礼
素早い回答ありがとうございます。