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焼鈍と焼きならしの違いと影響について
- 「焼鈍」を「焼きならし」と指示したことにより製品にどのような影響があるのかについて詳しく説明します。
- 焼鈍と焼きならしは異なる熱処理方法であり、それぞれの特徴や目的があります。誤って焼きならしとして指示したことによる影響を解説します。
- 焼鈍は歪取りを目的とした熱処理方法であり、製品の性質や強度に影響を与えます。焼きならしとの違いや間違った指示による影響について詳しくご説明します。
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最近の過去質問の見直しにより、小生の専門分野でも不十分な回答のままで終わっている事例が少なくないことに気がつきました。質問検索の方のためにも、訂正・補足していきたいと思っております。ただとりあえず閉じられていない質問に限ります。 図面指示ということは「製品の最終熱処理として焼鈍と指示すべきところを、焼きならしと指示してしまった」と考えます。 歪取りが目的ですから、焼きならしで歪(残留応力)が取れるかどうかという問題になります。回答(2)にあるように、焼きならしは変態点以上に加熱するのですから、それまでの歪は完全に消滅します。 しかし冷却工程が問題です。焼鈍ならば残留応力は全く発生しないと考えていいでしょう。しかし焼きならしでは微妙です。直径が大きく変化していたりすると、冷却時の部分的な温度差により熱応力が発生、残留するでしょう。ごろっとした形状であっても、表層と内部の冷却速度が異なねことで残留応力が発生し、使用方法によってはそれが影響する可能性があります。 当然、許容される残留応力のレベルでも異なります。 なお、本件は中間熱処理であってこの後に最終熱処理(例えば調質)があるなら、影響はないでしょう。 焼鈍温度が回答(2)と回答(6)で異なりますが、特に低温焼きなましとか応力除去焼鈍などと指定しない限り、完全焼きなまし、つまり回答(2)の温度になります。 焼鈍は炉冷なので、製品の各部分、表層から芯部まで温度がほぼ均一なまま冷えていくので、熱応力が発生しない。
貴殿とのご回答者とのやり取りを拝見させて頂き、蛇足的かもしれませんが コメントさせて頂きます。 小生の感覚からするとノルマルとアニールでは別物の熱処理という感覚が するので、詳細がわかりませんがまだ間に合うならば指示修正した方がいい と思います。 鋼材との事なので中炭素鋼と仮定してお話を進めますが、アニールと ノルマルでは処理温度が全く異なるので、アウトプットされる鋼の特性も 異なってきます。 アニールは軟化目的なので、700℃近辺で処理されます。軟化すれば加工 歪みも除去できます。だけど、加熱による現物の変形や、熱応力歪みが 発生するかも知れません。(検証した事がないので。。。) 一方ノルマルは一旦鋼の炭素を素地に溶け込ませるので、800℃以上には 加熱していると思います。その為、結晶粒は微細化されて、粒界強度が増す 分、アニールより強度は上がります。また800℃以上まで加熱するので当然 加熱による変形や、変態応力歪み、熱応力歪みが発生します。 貴殿のコメントの中に「歪み取りを目的」とありました。であるならば LA(LOW ANNEALING 低温焼鈍)で650℃近辺で処理するだけで、十分かも知れませんよ。 詳細についてはきちんと検証してから決定する必要があると思いますが まずは指示の修正に奔走すべきでは。。。 ちょっと蛇足になりましたが、不要であれば読み飛ばして下さい。
他の方々の提示の資料に ?「焼鈍(焼なまし)」:鋼の結晶粒度を調整し、軟らかくする。残留応力の 除去を目的とする。 ?「焼準(焼きならし)」:鋼を標準状態、つまり、ノーマルな状態にする処 理です。前加工の影響を除き、結晶粒を微細にし機械的性質の改善を目的とする。 と表現されています。一般に?は炉冷で?は空冷です。硬度上限も?<? です。?でも歪取りはできるので,必ずしも?でならないとは言い切れませ ん。一度サンプルで,機械的な特性を評価されてはいかがでしょう。 ?で良ければ処理時間の低減ができるのでコストダウンになると思います。
以下のURLに示す様な強度の差が発生します。 硬度と強度(引張強さ)は比例しますから、強度の数値が出ていない場合は硬度換算表 から比例換算して下さい。 機械構造用炭素鋼鋼材での強度(硬度)差のURLです。 そして、-A表示が「焼鈍」又は「焼きなまし」で『annealing』の頭文字を使用、 -N表示が「焼きならし」で『normalizing』の頭文字を使用 となっています。
「焼鈍」の目的は何でしょうか どの工程で「焼鈍」されるのか 私もSCM415の軸で(焼きならし)の指示をしているのですが 荒旋削→焼ならし→旋削・フライス→浸炭焼入れ→研削 の工程です。 ※現在問題は発生していないが 本当にベストの方法かどうかはいつも疑心暗鬼の状態 切削性の向上が目的なら「焼きなまし」だが 通常は歪みもでにくい 荒加工をして焼入れと歪みを考慮するなら「焼ならし」と考えている。 どちらも黒皮素材のままで処理をするとバラツキがでる 素材寸法と仕上り寸法の差(加工代)も重要 コストの為にきわどい加工代だと熱処理に影響がある場合もあります。 そして処理業者の力量も重要 回答 2)さんの御指摘通り細かな指示が出来れば良いが・・・・ 特殊鋼のように素材メーカーからデータが提供されていないと難しいですね。 何も考えずに黒皮材に「焼きなまし」をして加工中にどんどん歪む・・・・ なんて事にはしたくない。 本来の目的に効果があるかどうかが大事と思います。
焼きならしは用語集では鉄鋼限定だが、非鉄でも使われてる様子。 鉄鋼でもこの言葉だけでは不充分。やはり温度、キープ時間、冷却方法(徐冷、炉冷)を指定すべきでしょう。 焼ならし A3/Acm変態点+50℃(焼入温度)から徐冷。 焼きなまし【焼鈍】 〃 〃 炉冷。 応力焼きなまし 再結晶温度(約450℃)以上、A1変態点以下。通常は550~650℃から徐冷または炉冷 これを指してるなら、温度によって歪み除去の程度と強さに影響する場合がある。
強度が要求される部品か、寸法精度が要求される部品かによって回答内容 は変化すると思います。 公差を含む寸法指示が、熱処理の前に対するものか、後に対するものかも 影響を与える可能性があると思います。 材質は、鋼材のように思えますが、材質によっても影響は異なるでしょう。
お礼
回答ありがとうございます。 材質は鋼材です。 強度よりも寸法を要求している部品です。
お礼
回答ありがとうございます。 なかなか普段図面指示する時も、詳しい熱処理内容までは 指示出来ていません。 参考になりました。