私の記憶でいうと、たしか朝丘雪路の娘さんが言ったんだと思いますが、デパートの屋上遊園地で娘をつれて自動販売機に「あさおかです」と何度も言ったというんですね。娘があきれて「ままこれはお金をいれないと」といったけど「大丈夫、あさおかですあさおかです」というので仕方なく娘が小銭を入れて買ってやったそうです。
つまり、娘のころから大映画スターだったので、街中でこれがほしいなと思ったら「あさおかです」というと、あああの女優の、と思うからすぐにくれて請求は映画会社だとかに行けば払ってくれたんですね。それが染みついているから、自動販売機でも従うと思ったのです。
こういう人はいたんです。
現在では島崎和歌子と言う人が財布を持たない人のようですけど、さすがに自動販売機に語り掛けることはなく、要するに同行している男性の誰かが払ってくれるから清算の必要がないということのようです。これを聞いて素晴らしいなとおもうのは、通常そういうことが通用するのはせいぜい20代前半までだと思うのだけど、あの年で大丈夫というところです。その割に不倫だとかややこしい噂が立っていないのがすごいと。
とはいえ、私の頭の中にあるのはこのふたりだけで、お金を全く持たずに出る人はあまり知りません。