ホームランの平均飛距離ランキングを出しているサイト(画像ご参照)を見ると、2017年のホームランの平均飛距離が120mを超えているのは、パ・リーグ8名、セ・リーグ6名だけです。また、シーズン30本以上ホームランを打っていても、平均飛距離が120mに満たない選手には、ゲレーロ、ロペス、T-岡田、デスパイネ、レアード、ウィーラーといった錚々たる強打者が名を連ねています。
両翼120m、中堅140mともなると、平均飛距離が130mないとホームランを量産することは無理でしょう。柵越えホームランは激減します。10本も打てばホームラン王になれるという、ベーブルース登場以前の時代に戻ってしまいます。
パワーがあるようで、実は平均飛距離が110m台という助っ人外国人は皆お払い箱です。
ただ、球場の器が大きくなるので、ランニングホームラン(インサイド・ザ・パークホームラン)が増える可能性があります。金属バット登場以前の高校野球のように外野の守りが浅い(=フェンスまでの距離がある)ことになるので、外野手が抜かれたら、もう三塁打かランニングホームランです。鈍足弱肩の外野手は淘汰されます。
遊撃手・二塁手も頭上を抜かれたらランニングホームランになりかねないので深く守らざるを得ず、一塁手・三塁手もライン際の打球をうまくさばけることが必要になり、内野手も皆高い守備力が求められるようになります。
となると、とにかく俊足強肩、身体能力が高く守備力がある選手を集めることが必須となり、打撃はミートさえうまければ御の字ということになります。二塁手の頭をライナーで越えて、右中間をゴロで割ったら、或いは、一塁手の右、ライン際を抜けたら、もう三塁打かランニングホームランになるのですから、打球を遠くに飛ばす必要はなくなります。内野の守備位置が下がりますので、セーフティバントの有効性が増し、内野安打も増えるでしょう。
ホームランは、走者を全部帰してしまいますので、状況をリセットする効果があります。それがなくて、ヒットや2塁打、3塁打、そこにバント安打を絡ませてということが続くとなると、現状よりビッグイニングが増える可能性もあります。
プロバスケットボールがほとんど長身の選手ばかりなのと同じように、プロ野球も俊足強肩好守の選手ばかりで打線を組むことになるでしょう。
面白くなるかどうかは分かりませんが、試合に出てくるプレーヤーの多様性はなくなると思います。