janis999さん、こんにちは。
とうとうブラック・アロワナを飼い始めたんですね。いかがですか。
肉食魚を飼うに当たって悩まされる問題のひとつに餌をいかに確保するかというのがありますね。毎回買って与えていては餌代もバカになりませんから。その点、自分で餌をストックしておくというのは良い考えです。
御質問のアカヒレの繁殖についてですが、乱暴な言い方をすれば勝手に増えます。もちろんこれは極端ですが、つまりアカヒレは非常に繁殖力が旺盛な魚で、10尾も同じ水槽で飼っていればどんどん卵を産みます。こういった意味で「勝手に増える」と書いたのですが、きちんと計画立てて増やしていこうと思えばやはりそれなりの準備が必要です。
アカヒレを計画立てて繁殖させる場合、水槽は45cmもあればいいと思います。アカヒレはもともと中国南部が原産なので、熱帯魚と言うよりも本来は温帯魚とでも呼ぶのがふさわしく、水温に関しては15度から28度の範囲であれば飼育に問題ありません。ただ繁殖の場合は25,6度あたりを保つのがいいかと思います。水質にうるさい魚ではありませんので一般的には中性から弱酸性の範囲で飼育できます。繁殖させる場合も中性あたりを保つようにすれば問題ないでしょう。
では、実際のアカヒレの繁殖についてですが、まず最初はアカヒレを10尾ないしは20尾程度購入しある程度成熟するまで飼育してください。それだけの数がいれば間違いなく雄と雌がいるはずです。アカヒレは成魚になると、雄がほっそりとしてきて体色が濃くなってくるのに対し、雌は体色が薄目で腹部が大きく張り出してくるのが特徴です。このため雌雄の区別は比較的容易です。そうなると、ときどき雄同士でフィン・スプレッディング(各ヒレを大きく広げて相手を威嚇する行動)と呼ばれるケンカ行動を起こしたり、太った雌に数尾の雄がまとわりつくようになるのが観察できます。そうした行動が頻繁に見られるようになったら、特に腹の大きい雌と、アタックしている雄2~3尾を繁殖用の水槽に移します。水槽の底にはウィローモス(水草の一種)を3~4cmの厚さになるように底全面に敷いておきます。アカヒレは産んですぐに自分たちで卵を食べてしまうので、食害を免れるためにも必ずウィローモスなどの産卵床は用意して下さい。この時にウィローモスはよくほぐして新鮮な水が隅々まで行き渡るようにして下さい。ビー玉を敷き詰めるという方法も昔からよく行われていますが、ウィローモスの方が稚魚の生育に有益な微生物が繁殖しやすいので、こちらをお勧めします。産卵経験のある雌なら、雄がモーションを起こすとすぐに産卵を始め、ある程度産んだところで親魚は別の水槽に移します。親魚を入れっ放しにしておくと、ウィローモスに潜り込んで卵を食べ尽くしてしまうからです。卵は2~3日で孵化し、さらに2日ほどで稚魚が泳ぎ出します。餌はブラインシュリンプが最適ですが、稚魚用の人工飼料でも良いでしょう。
蛇足になりますが、アカヒレは繁殖力旺盛なため近親交配もどんどん進みます。近親交配によって産まれた魚は代を重ねるごとに間違いなく奇形や障害が現れてきます。私は近親交配によって産まれた魚を食べ続けた魚にどのような影響が出るのか(あるいは影響がないのか)分かりませんが、もし気になるようでしたら3代目くらいのところで、また別のアカヒレの血を導入するのもいいかと思います。
また、メダカもアカヒレと同様の方法で繁殖可能ですし、最近はアロワナの定番メニューとなりつつあるコオロギも自宅で繁殖させることが可能です。興味があったらチャレンジされてみるのも面白いかと思います。
では、頑張って下さい。失礼いたします。
お礼
polnareffさん、こんにちは。 いつも、詳細な回答ありがとうございます。すごく参考になります。 幸い、巾25cmほどの水槽もありますので、繁殖用の水槽として使えそうです。 これからはアロワナだけでなく、赤ヒレの動きも観察して繁殖に挑戦してみます。 情報ありがとうございました。