簡単そうで簡単でない説明が必要ですが、簡単に言うと1440 x 1080i が1920 x 1080i よりも画質が落ちるとは必ずしも言え無いと言うことと、フルハイビジョンと言うのは受像機側が放送で送られてくる解像度を映す能力があると言うことで、画質が綺麗かどうかと言うことと関係ないと言う事です。
ハイビジョンの放送をするためには、入り口と出口はハイビジョン対応のカメラとハイビジョンを映すテレビなのですが、その間にカメラで取った映像を放送で送るためにデータ圧縮をしなければなりません。データ圧縮をするとデータ様用が小さくなるので各放送局に割り当てられた放送帯域で遅れるようになる一方で、画質は劣化します。つまり私たちはカメラで取ったオリジナルの画像よりも画質が劣化した映像を見ています。放送の帯域が同じであれば1920 x 1080i のカメラで取った映像はオリジナルに対して高圧縮でよりデータを悪化させて送りますが、1440 x 1080i はもともとの画質が落ちても圧縮によって1920程は画質を悪化させずに送ることができます。1440と1920とどちらが良いかは、画像のタイプ(例えば世界遺産の様なゆっくりしたカメラパンで写したものはそれほど高圧縮をしなくて済むので、1920は綺麗ですが、画面が素早く変わるようなドラマなどでは1910の圧縮はとても厳しく1440の方が有利だったりします)によって変わり、その差は視聴者が言い表せるレベルを超えています。現在の放送局側の機器や視聴者側の受像機はフルハイビジョンに対応していることが多いと思いますが、圧縮、放送帯域、画像のタイプなどを考えるともっとも効率が良い(経済的にも画質的にも)解像度を選んで放送していると言うのが実態でしょう。
ちなみに、日本ではNHKのちからもあって1920 x 1080iで放送すべきと言う認識が広がりましたが、海外ではハイビジョンのコンテンツはPCなどとの親和性から1280 x 720pの方が主流です。i はインターレースで1080を1/30秒ごとに奇数ライン・偶数ラインで移すので、実は縦の解像度は低いのですが、720pは1/60秒で720本のラインを移すので立て解像度はむしろ高いです。全体の解像度はほぼ変わらないですが、日本では720pはメーカーのプロパガンダもあって解像度が低いと思われています。
こう言う事情なので、画質の良い悪いはハイビジョン vs. フルハイビジョンでは語れず、フルハイビジョンの受像機であればより高い画質の動画を表示できる可能性があると言うだけです。
1920 x 1080iで放送している局があっても、それがベストの画質かどうかテレビで見ただけで充てられる人は一般には殆どいないと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 放送局側の事情とは機材の更新が進んでいない事から未だにHD放送のままで、FHD放送に移行出来ない事なのですね。 そこまでは事情を知りませんでした。 その他にも、なるほどデジタル局開局当初はFHDでのリアルタイム圧縮技術が完全には放送利用可能な信頼出来るレベルに達していなかったので、 デジタル放送開始当初は、地上デジタル放送局については1440×1080i(HD放送)であったのですね。 資金力に余力が乏しい民放局はともかく、 受信料で運営資金が潤沢にあるはずのNHKまでもが、未だに地上デジタル放送については全国で例外なく1440×1080i放送を行っていますね。 NHKに敢えて苦言を呈すのでしたら、 視聴者側が見たいと望む映像的に質の高さが要求される(1920×1080i・FHD)番組については、その全てをBSデジタル放送に限定し放送しています。 民放はともかく、特にNHKは地上デジタル放送も早急にFHDへ移行して映像的に高品質な番組(上に同じ)を放送してもらいたいものですね(-_-;)
補足
アナログ放送でのお話に少し訂正補足させて頂きます。 始めの1/60秒(1/2コマ)の時間の長さで受像機に表示する映像は、奇数走査された262.5本の映像が表示され、人も実際に目に映っているのはそのまま262.5本の映像です。 次の1/60秒(1/2コマ)の時間の長さで受像機に表示する映像は、偶数走査された262.5本の映像が表示され、人の目にも同様に映っています。 奇数走査や偶数走査ともに実際には262.5本の解像度、全数走査525本の半分の解像度の映像が目に映っています。 一方、脳内処理速度の関係で1コマ辺り走査線525本の<<情報量>>を、人が認識するのには最低でも1/30秒間必要です。 1番目に(1/60秒間で)目に映る映像は奇数や偶数どちらで走査された映像(262.5本1/60秒間)でも問題はありません。 次の2番目に走査された映像(262.5本1/60秒間)も即座に認識しています。 人の脳内処理速度では、NTSCのテレビでの解像度では、1/60秒間で認識できる情報量は262.5本が限度です。 そしてその1/60秒間受像機から目に映った映像は、次の1/60秒間までは脳内処理速度の関係で残像として残ったままになります。 つまり人は1/30秒間に、奇数や偶数走査の順番は関係なく今正に見ている映像(1/60秒間)➕過去1/60秒間に見ていたが実際にはもう目には映っていない映像つまりは残像の2つの画像を同時に合成処理する事で、 解像度525本の映像を認識している事になります。 そして脳内映像認識処理については始めに1/60秒間に見た映像は、1/30秒間を過ぎたら古い物から順番に連続して認識しなくなります。 これがインターレース(飛び越し走査=i)の特徴です。 デジタル放送の場合については、 1920×1080iと1440×1080iで60fpsなので、 アナログ放送の場合から適宜読み替えてください。