書店を経営している人間が古本屋で本を仕入れるなんていうことがあると思いますか。
そういう発想が起きるわけないでしょう。
スリップ欠損のものは、書店自体に返本をする輩がいるのです。
自分で買ったら同じものを妻も買っていた。返したい、という手の人間です。
これを受け付けるかどうかは店の思想の問題です。
本ですから、読んでしまったか読んでないかの判断はできません。
ここで強く出て返品は受け付けないということは可です。
しかし、それをやるとこの客は2度と来ないだろうし、友人にあることないこと悪口を言うに決まってます。
だったら受け入れるしかないでしょう。
まあこの本は、また店に置いておけば別の客が買うかもしれないし、買わないかもしれない。
書店は、特定の出版社の要求する買取本でない限り、売れなければ代理店に返品するのが普通です。
そのときに、この本が入っている可能性があります。
出版社はもしそういう流れの本であれば、断る権利があります。
強く断っても、書店は末端のお客ではないですから、2度と自分の本を買わないなどとはいいませんから。
この判断に、汚れのあるなしなどを使っても無意味です。
そこでスリップを使うのです。
スリップがあれば、仮に汚れていても新本のまま朽ちたと考え、返品に応じるのです。
スリップがなければ、いまいいましたような客の勝手な返本かもしれないし、立ち読み常習犯によって失われたかもしれない。
だから、書店は、知っていて変な本を代理店に返本として受け取れというつもりではないのです。
お互いにぎすぎすしないように、決めとしてスリップの有無でどちらが泣くかを決めているということです。
ちなみに書店が代理店に返本をするとき、お金はどうなるかというと、「売れた分の仕入れ金は支払う」だけです。
全部買って、売れなかったときに返本してお金をもらうという流れではありません。
ですから、スリップがなくて返本できない本は、自家償却をしたという処理になります。
古本屋から古本を購入して返本にしようとしても、どう考えても絶対に儲かりません。
仕入れた数より多い返本なんかできませんし。
そもそも古本屋でお金払うんですよ。その値段、仕入れ値よりうんと安いなんてないでしょう。
ブックオフだと、小口切りといって指がかかる部分の端を裁断しますから、新本より小さい本になっていて誰でも新品でないことがわかりますし。
補足
ありがとうございます。ひとつわからないのがあります。妻が買ったので返却するという部分ですが、夫と妻に売るときに書店でスリップを抜くわけなので、スリップは書店にあるはずです。書店は売れたら抜いたスリップは捨てるのでしょうか。スリップを着けたまま売るわけではないでしょう。レジで抜くと思います。ですので、返却してきたら抜いたスリップをまた、挟めばよろしいかと思うのですが。