いろんな理由がありますよ。
ひとつの理由としては、正当な理由が無いことはめずらしく無いこと
そして
MS Office特有の機能の評価が高いこと
MS Officeに習熟した利用者がいること
そして、みんな使っているから…です。
今はMS Officeをデファクトスタンダードと考えている人もいますが
もともとは、Microsoftが提案する標準に過ぎなかったんですよ。
OSと一緒に売り込まれて、結果的にデファクトスタンダードになりました。
ですから、ほとんどの人はMS Officeのどこがすぐれているとも言いません。
ただ、慣れているから…としてMS Officeを選んだりします。
大企業になると、高度な管理や機能が活用されるので
ことさらに、別のソフトへの置き換えは困難です。
実際には、MS Officeを使い続けても、バージョン違いによって
文書の互換性が失われたりする事故は起きますが…
結果的に、そういった事故は
MS Office以外のソフトに移行する場合にこそ、大きな不安を演出しています。
そのため、中小企業でも官公庁や大企業と同じMS Officeを使うほうが
文書の互換性トラブルについて、担保的な役割を担います。
結果的にMS Officeのブランド力は強くなり
どこが優れているのか知らないままMS Officeを購入する人も少なくありません。
でも、この10年の間にMS Officeから他のオフィススイートに切り替えた自治体や企業は
LibreOfficeやOpenOffice.orgなどのFLOSSからMS Officeに切り替えた例よりも、大幅に多いんですよ。
欧州では、特にFLOSSのオフィススイートへの移行が盛んになっていますが
これには、米国企業に対しての対抗意識もあると言われています。
MS Officeに慣れている人が多いのであれば
他のソフトのほうがサポートコストは増えやすいのは確かです。
しかし、地元でサポート事業を展開する企業が育てば、そこに生じるコストは
地域を循環し、経済を活発にする効果があります。
MS Officeを買えば、最終的にはその売り上げは米国に流れるお金です。
現状では、FLOSSのオフィススイートをサポートする事業が不充分かつ認知されていないので
FLOSSへの移行が、簡単では無い状況が続いています。
理想論としては、海外企業に依存するよりいい方法があっても
それが簡単に実現するわけではありません。
よく互換Officeという表現も使われますが、本来はMS Office以外のオフィススイートは
MS Officeありきのソフトでは無いので、いわゆる互換ソフトではありません。
LibreOffice,OpenOfficeの原点へと遡ると1980年代半ばにあり
MS Officeが主流になるずっと前から続いているとも言えます。
(MS Officeも一太郎も、その原点はMS-DOSすら普及していない1980年代半ばにあります)
互換オフィスという表現は、後追いのソフトという印象を与えやすいので
そういった呼び方や概念から改める必要があります。
情弱ほど、MS Officeを正統なソフトかのように捉えやすいので
比較検討が、正当に行われにくくなってしまいます。
平等に比較するためには、まずオフィススイートといった言葉が浸透し
その分野を指す言葉として、つまり
代名詞としてMS Officeの名が使われる状態を脱する必要があります。
状況としては、パソコンの性能向上めざましく、買い替えが盛んだった時代より
買い替えが少なくなった今のほうが、抱き合わせ販売の効果は小さく
未だにXPを使い続けて、MS Office 2003を使っているような人がいます。
結果的に、それがMicrosoftにソフト販売ではなく、契約式のMS Officeを作らせ
結果的に、使い続けるだけで金がかかるソフトへと変わっていこうとしています。
その先には、MS OfficeとFLOSSのオフィススイートを
より平等に近い形で比較できる時代が来るのかもしれません。