胃癌の手術といっても内視鏡的切除、外科的部分切除、全摘があります。胃のピロリ菌を調べたわけですから全摘ではないと思いますので、前2者についてお答えします。
内視鏡的切除は癌部のみを取り除きますが、胃の他の場所にもピロリ菌による粘膜変化が起きていますから、新たに胃癌ができる可能性があります。内視鏡的切除後に除菌する群としない群をランダムに分ける臨床試験が日本で行われ、ピロリ除菌した方が胃癌の再発生率が低くなることが示されました。その結果、内視鏡的治療後の除菌は保険適応となっています。
部分切除後についてはそのような臨床試験はないと思いますが、残胃癌(残った胃から胃癌が生じる)は昔から知られています。やはり、残胃にも粘膜変化があるためと思います。残胃に慢性胃炎があればピロリ除菌は保険適応になるはずです。
一般的には、除菌成功後に「食べ物がおいしくなった」、「体重が増えた」という方は結構いらっしゃいます。お母様の場合、食欲が減ったのは手術自体が主原因だとは思いますが、食欲の改善と胃癌再発の抑制を狙って除菌してみるのもありだと思います。
お聞きになっていると思いますが、ピロリ除菌療法の副作用として下痢がありますが一時的なものです。除菌薬にはペニシリン系の抗生剤が含まれていますからペニシリンアレルギーの方には使えません。除菌成功後の問題としては、以前から逆流性食道炎が増えるのではないかといわれていますが、術後胃について私は経験がほとんどないのでよく解りません。
以上、何らかのご参考になれば
お礼
ありがとうございました。