整形外科は医師免許を持っている人じゃないと開業できません。
接骨院(整骨院)は柔道整復師という免許を持っている人じゃないと開業できません。
戦後、整形外科医が不足していたので、その穴埋めとして全国各地にいた「骨接ぎさん」に健康保険証が使える権限を与えました。元々は骨折の整復をするのが本業だったのです。戦後の混乱に伴う一時的な措置のつもりでしたが、その保険証収入をバックに豊富な政治資金を持ち、その名が示すように柔道業界のバックアップもあったのでこの既得権益は頑なに守られてきました。
しかし医療費負担が増大する世の中で、とにかく減らさないといけないとお医者さんまで診療報酬を減らされるご時世に柔道整復師も例外ではいられませんでした。本来は、接骨院(整骨院)では急性にしか保険は使えないのですが、拡大解釈されて慢性痛に対しても保険が使われることが横行していたというか、黙認されてきました。
しかし今は黙認されておらず、医療業界も保険業界も露骨に接骨院離れをしてきています。ああだこうだと文句をつけては保険証の対象にしないようにしているのです。朝一番の接骨院に行くと、その理由はすぐ分かりますよ。地元のジジババの社交場になっていて、みんなマッサージを受けに来ます。だって、1回200円とか300円でマッサージが受けられるのですからね。接骨院には少なくとも1000円かそれ以上の収入があるので、毎日30人のジジババが来るとそれだけで数万円の収入になります。つまりそれだけで月100万円くらいの売上にはなるということですね。
そのうちの7割から9割は健保組合の負担で、しかもジジババはマッサージしたくらいじゃ腰痛も治らない(というか、年齢的にもう治らない)ので、「そんなレジャーみたいなマッサージのために負担はしたくない」という世の中になっています。それは裏を返せば接骨院側からすると「おまんまの食い上げ」となります。今、たいして大きな駅前ではなくても数軒の接骨院が必ずありますが、今後は淘汰されていくでしょうし、今業界では「今から新規で開業しても成功するのはまず無理」といわれています。
お礼
ご回答ありがとうございます。