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譜面台の楽譜をチェロの弓でめくるのは下品?
2月27日のNHKのクラシック倶楽部で ドイツのチェリストのダニエル・ミュラー・ショットが ステージの上で譜面台の楽譜をチェロの弓の先でめくっていました。 番組を見た人はみな下品だったと言っています。 ステージマナーとして欧米では普通のことですか。 単なる文化の違いですか。 お教え下さい。
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こんにちは。 職業音楽家です。ドイツ語圏に長く住んだ経験があります。チェロ専攻ではありませんが、若いころ、数年間チェロを弾いていた時期もあります。 弓の先で譜めくりをすることは、普通のこととはいえません。ヨーロッパにもそれなりのマナーがあります。その放送を見ていないので、ここではっきりしたお答えはできませんが、Youtubeに出ていたドイツでのリサイタルでは、ちゃんと手でめくっていました。もし、楽章と楽章の間の、十分時間がある箇所でそのようなことをしていたのでしたら、少し横着といえます。ただ、曲の途中で譜めくりの時間が充分にないときに、やむを得ずそうしなければならないケースがないとも限りません。譜面台の位置にもよります。どのような個所でやっていたのでしょうか。また、何度も繰り返しやっていたのでしょうか。 弓先でめくるというのは、マナーの問題だけではなく、下手をすると楽譜の落下などの事故にもつながります。ただでさえ緊張する本番中に、あえてそのようなことをするからには、何か理由があったのかもしれません。数ページある楽譜で、紙が重なっていれば、弓先でめくるのは難しいはずですので、それをやるためには、あらかじめ弓先が入るように、浮かせたり折ったりなどの細工も必要なはずです。 ただ、一方、こんなこともあります。ヨーロッパに住んでいたとき、何かあると、「それは日本の礼儀か?」などと言ってからかわれた経験が何度かあります。ヨーロッパにもマナーはありますが、日本人は、かつての儒教的道徳の名残で、あまりにもガチガチに礼儀にこだわりすぎるところがあります。よく、日本に来た外国人へのインタビューで、「日本人の礼儀正しさに感心した」、という言葉をよく聞きますが、逆にヨーロッパにいると、「そのような形式的な礼儀は不必要」、と言われることもあります。そういえば、先月もこのサイトに、「ある身なりの汚い日本人指揮者がいて、そんなコンサートは聞きたくない、非常識ではないか」、という意の質問が出ていました。その質問者は、結局、同意回答がほしかっただけで、反対意見には徹底的に反発していましたが、やはり日本では、いまだに礼儀へのこだわりが相当強いのだなと感じました。しかし、礼儀という視点だけだと見落とすこともあります。たとえクラシックの演奏会でも、お客へのサービスということもあります。弓先での譜めくりを、軽業的なサービス、あるいはユーモアとしてとらえることもできます。そういう点では、ヨーロッパの聴衆の反応は、日本とはまた違います。日本では、クラシックの演奏会はいまだに堅苦しいイメージで、楽しむという感覚をもてない人も多いでしょう。 もちろん逆に、演奏家が何らかの理由で機嫌が悪くて横着をする場合もあり得ますし、そういうことを何とも思わないタイプの人もいるかもしれません。芸術家には、気分屋もいますし、個性的な人もいますので、そういうことも時には起きます。 ダニエル・ミュラー・ショットは、すでに中堅の奏者ですし、教育にも携わっているので、結局のところ、なぜそのようなことをしたかは、本人に聞いてみないとわかりません。まあ、多少のことは大目に見てください。受け取り方もいろいろだと思いますよ。 以上、実際の映像を見ていないので、推測と一般論です。
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- dragon-man
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ごく普通のことでしょ。そもそもクラシック音楽は西欧の文化です。特にドイツの文化です。モーツァルトもベートーベンもバッハもみなドイツ人です。日本人がケチをつけても仕方ありません。同じ器で回し飲みする茶の作法を、ドイツ人が下品などと言うのと変わりません。両方とも文化が分からない田舎者です。
補足
早速のご回答有難うございました。 ドイツに留学したことのある私のチェロの先生に聞いたら ドイツ人は練習中にすることはあるがステージではない と教えて呉れました。品のないという感覚は世界共通のようです。
お礼
>弓の先で譜めくりをすることは、普通のこととはいえません・・・ 貴重なるご回答を有難うございました。 NHKがステージマナーとして放映する許容範囲と考えたのなら 現地では普通のことなのかと感じたのですが、普通のこととは言えないという ご判断に安堵しました。 私はシニアでアマチュアのチェロを習っています。私の女性の先生は この話を聞いて、笑い出してしまいました。練習中はすることが ありますがステージでは聞いたことがないという説明でした。 「笑い出す」程度の問題だとも感じました。 有難うございました。