- ベストアンサー
エンジンの構造について
エンジンの構造で、なぜ熱効率がよいとトルクや馬力がよいのでしょうか? よろしくおねがいします。
- みんなの回答 (10)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
エンジンという機械の本質を考えてみてください。エンジンとは燃料を燃やすなどして得られた熱エネルギーを回転などの運動エネルギーに変換する装置です。熱効率とは、燃焼などによって得られる熱エネルギーのうちのどれだけの割合が運動エネルギーに変換できたかということをあらわす数値ですので、同じ熱量の熱源(同じ量の燃料と置き換えても凡そ正しいでしょう)であるという仮定があるのであれば、熱効率の高いエンジンほど高い出力を得ることができます。 さて、実際に熱効率の高いエンジンとはどのような物であるかを、もっとも一般的な4ストロークサイクルの内燃エンジン(自動車やバイクのエンジンのようにピストンを使うエンジン)で考えて見ましょう。まず、エンジンのメカニカル部分の摩擦損失ができるだけ少ないことが好ましいことは間単に理解できるかと思います。次に圧縮比ができる限り高い(大きな圧縮比を持つエンジンでは圧縮の際に使われるエネルギーも大きくなりますが、燃焼による圧力の上昇も大きくなります。外部からの力でピストンを押し上げて圧縮する時に消費されてしまう力と、燃焼後にピストンをが下がるときに発生する力の比は圧縮比が大きくなるほどその差が大きくなり、有利になります)こと、吸入や排気に要する損失(このような動作の時のエンジンはポンプと同じでエネルギーを消費してしまいます。これをポンピングロスといいます。)ができるだけ少ないこと、燃焼による熱エネルギーをできるだけ有効に使うため冷却による熱の逃げができるだけ少ないこと、燃焼で生じたガスの温度と排気ガスの温度の差ができるだけ大きいことなどですが、これらをすべて満たすエンジンは設計不可能です。まず圧縮比についてはガソリンエンジンでは基本的にある程度以上に圧縮比をあげる事は不可能(圧縮による温度上昇で、本来の点火時期以前に自己着火してしまい正常な運転ができません)ですし、ディーゼルでもむやみに圧縮比をあげることは、その燃焼時の圧力に耐えるためにピストンやコンロッド、クランクシャフトなどを非常に丈夫に作る必要が出てきます。こうなると当然これらの部品の重量が大きくなりますが、重量が大きくなるとピストンが上と下でいったん停止してから逆方向に運動するエンジンではこれらに非常に大きな力が掛かり、さらに強く作らなくてはならなくなるという矛盾が生じます。ポンピングロスを少なくするには吸気や排気の際のバルブの面積をできるだけ大きくとり吸気や排気の時間をできるだけ長く取りゆっくりと行う必要がありますが、給排気の面積を増やすことはマルチバルブ化によって可能ですが、これはほとんどの場合摩擦損失の増加を招きます。また給排気に長い時間を当てるということは回転数を下げロングストローク化することで可能ですが、摩擦損失はやはり増えますし、トルクはともかく馬力に関しては回転数を下げると確実に下がります。外部への熱の逃げを抑えるには燃焼室の表面積をできる限り小さくすることや、耐熱性の高い材料を使用することで可能ですが、やはりこれにも限度があります。エンジン内部の燃焼ガスの温度は2000℃を超えるため、冷却を行わないとエンジンが溶けてしまいます。燃焼ガスの温度と排気ガスの温度にできるだけ大きな差を持たせるには燃焼から排気までの時間を長く取り尚且つ外部への熱の逃げを抑える必要がありこれもまた無理な話です。 そのほかにも燃焼によって混合気自体の熱解離による熱損失などもあり高い熱効率を持った内燃機関を作ることは非常に難しいのです。 現在の内燃機関(エンジン内部で燃焼を行うエンジン)でもっとも熱効率の高いものは船舶やヘリコプター、発電用などに用いられるガスタービン(ターボシャフトエンジン)や超大型タンカーや発電用に使用される2ストロークサイクルのディーゼルエンジンでしょう。ただしこれらのエンジンは一定の回転数で使用されることが前提条件で自動車のように始終回転数が変化する用途にはまったく不向きです。
その他の回答 (9)
- adjective
- ベストアンサー率17% (241/1356)
ここでいう”熱効率”というのは、燃焼熱量を動力エネルギーにいくら交換できたかということです。 ガソリンの燃焼熱量が500kJ(キロジュール:馴染の深いカロリーでも同じ)だとします。 (値はてきとうです。) 30%なら 150kJが動力に。40%なら200kJが動力になります。熱効率が高いということはそれだけ動力に使うエネルギーが増えたということです。 でも、燃焼熱量とトルクの関係がピンとこないのかもしれませんので続きを。 トルクの単位はkgf・m=N・mです。 ところでJ(ジュール)って?ご存知のようにJは仕事量で 力x距離であらわされます。(高校の物理かな) そう J=(力x距離)=kgf・m=トルク 結局、言い方が違うだけで物理量としては同じなのです。 なので、熱効率が高い方が出力(トルクが)高いエンジンといえます。 そもそもガソリンの燃焼熱量は決まっています。どんなにがんばっても最大値はあります。(ガソリンの質を変えると燃焼熱量も変わる) 燃焼熱量を最大に近づけ、その熱量を無駄なく動力に変えたものが高出力エンジンなのです。
- S40
- ベストアンサー率7% (26/339)
ご質問者へ: 熱効率とは取り出せるトルクや馬力を使用した燃料で割ったものだからです。
- kan3
- ベストアンサー率13% (480/3514)
熱効率が0(ゼロ)だと、パワーが0です。 良いとその逆。
- runnext
- ベストアンサー率38% (866/2245)
やかんに水を入れてガスコロンに載せてお湯を沸かします。 ガスコンロにきちんと乗せれば火はまんべんなくやかんを熱してお湯が沸きます。 ガスコンロにやかんの位置がずれて火がやかんからはみ出るとやかんに当る火が少なくなりお湯が沸く時間は長くなります。 これは熱の効率が悪いと言えます この時ガスを調整するコックが同じ開度であればガスの消費量も同じです。 まんべんなく火をやかんに当てれば熱を中の水に伝達する事が出来ます。 これが熱効率です。これとまあ似たような物です。
- satopyon
- ベストアンサー率21% (96/451)
同じだけのガソリンが燃えるとします。 同じだけのエネルギーが発生します。 たとえば100馬力分のエネルギーを発生したとして熱効率が30%だと30馬力出せます。 それが熱効率が40%だと40馬力出る事になります。 トルクも同じです。 なぜなら馬力(ps)=トルク×回転数(rpm)÷716.2だから馬力とトルクはだいたい比例関係にあるからです。 確か普通のエンジンの熱効率は30%前後だったと思います。 損失の大部分は冷却損失だったと思います。 今お聞きの場合の熱効率は、どちらかといえば燃焼効率(ガソリンの燃え具合:例えば100馬力分のガソリンを燃やしているのに85馬力分しか燃えていないで、後は燃え残っているとか)のようにも感じますが? これは火炎伝播速度とか燃焼室形状とかもっと難しくなるので私ではうまく説明できません。
- oilyakun
- ベストアンサー率17% (6/34)
簡単に言えば 無駄が無くなるからです。 燃やしたものが無駄なく力になるからです。
- turibiyori
- ベストアンサー率23% (82/348)
まず熱効率を考えて見ましょう あなたの家で石油ストーブを点けていたとします 1リッターの石油で1時間部屋を温められるとします そのままでは1時間でストーブは消えてしまいます それでは消える前にヤカンでお湯を沸かせて見ましょう お湯は沸きました 次にそのお湯で卵をゆでましょう こうして1リッターの石油に次々と仕事をしてもらいます 何もしなければ部屋を暖めるだけの仕事量ですが+αの仕事をしてもらいました これを熱効率が上がったといいます ガソリンも同じです 同じガソリンの量でより多くの仕事をしてくれるエンジンが熱効率が良いという事です
- Face5
- ベストアンサー率14% (60/426)
混合気が爆発して得られる エネルギーの内駆動力になるの1/3~1/4程度です。後は熱エネルギーになったりフリクションロスとなったり ってことです。つまりロスが少なければ当然 パワーが上がります。
- p-22
- ベストアンサー率21% (69/320)
バケツに入っている水を水車にかけるとします 無駄なく全ての水が水車にかかるのと 半分くらい周りにこぼれてしまう状況では どちらのほうが水車が勢い良く回ると思いますか? つまりそういう事です