現在の家庭用ビデオカメラの基本形式「AVCHD」は、SONYとパナソニックが共同で策定したものです。その後キヤノンとビクターが追従して4社共通規格になっています。
これはブルーレイのAVCモードと互換性があるので、パソコンを持たない人やパソコン音痴な人でも、ブルーレイレコーダーに取り込んでブルーレイディスクで配布できるというメリットがあります。
ただ、最近はスマホやネット配信に使いやすい「MP4」という規格も使えるビデオカメラが増えました。
SONYはAVCHDとスマホ用の軽いMP4を同時記録して、用途に応じて使い分ける方式。うっかりさんでも困らないようなフールプルーフ設計です。
パナソニックはAVCHDかMP4かを選択して記録する方式で、AVCHDの上限より高ビットレートのMP4も使える設計ですが、よく理解せずにMP4で撮ったら「ブルーレイレコーダーに取り込めない!」という可能性があるので注意が必要。
キヤノンはそのハイブリッドです。
「ビデオカメラ付属の管理ソフト」は4社共に汎用性がなく、他社ビデオカメラで撮った映像は扱えません。囲い込みのためなのか、ちょっと意地悪です。
しかし、一旦データとしてパソコンや外付けHDDに取り込んでしまえば、「市販のビデオ編集ソフト」や「オーサリングソフト」でいかようにも扱えます。Windows7以降はWindowsMediaPlayerでも再生できます。(Vistaの場合はコーデックをインストールすることで再生できる)
これは付属の管理ソフトを通して取り込んだデータでも一緒です。
近年、独自方式にこだわっていたのはビクターです。
AVCHDのライセンスに従うのが嫌だったのか、MPEG2-TSで撮れるハイビジョンビデオカメラを売ったり、標準画質MPEG2のビデオカメラも何故か拡張子が独特の物だったりしました。
これらビクターの迷走規格でも、市販の編集ソフトやオーサリングソフトを使えば全く問題はありませんが、ブルーレイレコーダーに取り込むとなると注意が必要になります。
一方、ブルーレイレコーダーに目を広げると、パナソニックのディーガは他社ビデオカメラを繋ぐと日付別に取り込めないという欠点がある一方、近年はMP4やMPEG2で撮った映像も取り込めるように改善しています。
過渡期のHDV(ハイビジョンのDVテープ)やビクターのMPEG2-TSを救ったのもディーガでした。(ほかの用途でMPEG2-TSを取り込めるように設計したら、たまたまこれらのカメラの動画も取り込めただけですが)
一方SONYはMP4やMPEG2は取り込めませんが、他社AVCHDビデオカメラを繋いでも日付別に分割されて取り込んでくれるという、懐の広さを持っています。
テープ時代は再生機が必要なので、ほとんど普及しなかったマイクロMVやデジタル8という悲劇がありましたが、現在はデータなのでそれを開くソフト側の問題になります。
お礼
大変丁寧なご回答まことにありがとうございました。SONYやパナソニックはMP4にもしてくれるということですね! しかし、ハンディカム(に限らずSONY製品)の、ハードとしての壊れやすさには悩まされます。ヨド○○カメラに、見本としてならんでいるハンディカムが全部、セロテープではって応急修理されてました。。。