- ベストアンサー
ライト(照明器具)の明るさ低下について
質問です。 電池式のライト(LED)の明るさは電池の消耗によってのみ低下するのでしょうか? 電気の流れの劣化等のほかの理由による明るさの低下はあるのでしょうか? ふと電池を入替え続ければ常に購入当初の明るさを維持できるのかと思いました。 なんとなく電池以外の要因で明るさは衰えるのではないかと思っています。 詳しい仕組み等はわかりませんのが宜しくお願いします。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
LEDも経年劣化しますよ。 LEDは半導体ですので半導体自体の劣化は非常に少ないのですが、チップを覆っている樹脂部分の劣化による透明度の低下や、照明用で多用される蛍光体を用いた発光方式(望む波長の光をLEDによって直接得るのが難しい場合があり、この場合LEDによる光を蛍光体に当てて必要な波長の光を得る方法が取られる)では蛍光体の劣化により発光効率が落ちます。 これらの劣化の進行状況は温度が高いほど急速に進む傾向があるため、出来るだけ放熱に留意して低温での点灯が望ましいのです。このことからも、LED照明を選ぶ際には100%の点灯を常とするような選択をせず、明るさに余裕を持たせて60%から80%程度の状態での使用を前提とすることが望ましいかと思われます。 LEDでは白熱電灯のように明るさを下げると色温度が変わると言うことがありませんし、器具によっては色温度自体も可変できるものが結構あるので、そのあたりをうまく使い、余裕を持った選択をするのがよいでしょう。 半導体自体も非常に高純度(99.999・・・%と9が11個も並ぶような純度)な物質同士で作られていますが、完全に不純物が0と言うわけにはいきません。この部分は結晶中の欠陥となるのですが、この欠陥により内部からの破壊が起こります。これも温度が高いほど進行が早くなるのでこの点でも100%の状態で使うことは望ましくありません。 意外かもしれませんが、LEDのチップ自体はかなり高温になるのです。発光効率が高く熱になる分の電力は他の機器に比べて小さく効率がよいのですが、チップ自体が小さいためかなりの高温になるのです。 たとえば同じ5Wのエネルギーが熱として発生した場合、電球のように大きなものとLEDチップのように小さなものでは熱の逃げる面積が圧倒的に違うためLEDでは放熱処理をきちんとしてやらないとあっという間に数百度と言う温度になり過熱して壊れてしまいます。LED電球などの金口部分の近くがアルミ合金などの熱伝導のよい材料を使い、表面積を増やすようにひだ状にしてあるのはこの放熱のためなのです。勿論、基本的に発生する熱量自体は電球などから比べればほんのわずかですが、高温に弱い半導体部品ですのでこのあたりは結構シビアなのです。 それ以外にもLEDはPTCと言う特性を示すため、高温になるほど暗くなります。PTCとはポジティブ・テンパラチャー・コヒーレンスの頭文字で、温度が上がるほど抵抗値が高くなり電流が流れにくくなると言う特性です。そのため温度がある程度異常上昇すると実質のワット数が下がってしまうのです。また、ある温度を超えると雪崩現象と言う現象が起こり急激に半導体としての機能を失い只の導体のようになってしまい、ほぼ瞬間的にショートしたような状態になり周辺回路やLED自体の破壊を招きます。ただ、この特性は冷凍倉庫などの低温環境では逆に有利に働きますのでそういった環境ではとても有用なものです。 一般家庭における場合では特に高温になりやすい場所に設置する以外では、先に述べたような余裕を持った器具を選ぶことで問題はないでしょう。キッチンなどでコンロのうえなどに設置する場合は注意が必要でしょう。
お礼
非常に詳細なご回答をありがとうございます。 わかりやすい説明で助かります。 全体的には熱による劣化に注意するということなのですね。 極端な話、暑いところに置いておいたり、点灯しっぱなしにより、半導体の温度があがると暗くなってしまうということですね。 経年劣化としては樹脂部分のや蛍光体の劣化があり、これも温度による劣化の促進があると... 基本的には温度に注意することがポイントのようですね。 とても勉強になりました。 どうもありがとうございました。