仰向けで寝ると足が伸ばせないのですね? 膝を曲げてなら仰向けになれますか? 曲げられるとして話を進めます。
両膝を合わせた状態で、お腹に少し引きつけて下さい。できますか? これを1とします。
次に、足を下ろしてお尻を少し浮かせる事はできますか? これを2とします。
1と2とでは、2が痛くてやりにくいはずです。やりやすい1の方向を選び、両手を両膝がしらに当てて押し返すようにしながら、「いちにさん」と数えてパッと力を抜き、足を床に下ろします。
そして深呼吸をします。
以上を3回、繰り返します。すると、やりにくかった2の方への可動範囲が大きくなってくるはずです。
これができたら次は両足を伸ばして同じようにやることができます。
きつければ片足ずつ伸ばします。
ここの詳細は省きます。答えたからと言って、必ずしも真面目に読んで実行してくれるとは限りませんのでね。こちらも、徒労はしたくない。以上の技法は、橋本操体という技法です。
もう一つ、腸腰筋のストレッチについて書いておきます。
正座して、少し前傾して手をついて、片足を後ろに伸ばします。少し身体を起こすようにして、伸ばした足に軽く力を入れて、「いちにさん」と数えて脱力します。深呼吸を繰り返すと、より深く腸腰筋を伸ばす事ができます。これも3回くりかえします。
PNFストレッチと操体との融合の技法です。
この2つのことを自分でやってみて、よくなるようならよし。ならなければやはり整形外科に行って、ヘルニアなどがないことを確かめた方がいいと思います。
以下は余談です。
わたしは、腸腰筋と大臀筋とが拮抗関係になるのではと考えています。
立位で表現すると、お尻を後ろに突き出す←→腰を前に突き出す という動作になります。
また、腸腰筋と背筋とには連動関係があると考えています。同様に大臀筋と腹直筋とにも連動が見られます。
従って、立ち仕事などで腸腰筋および背筋が長時間収縮を続け、元の長さ・位置に回復する力を失ってしまうと、上記のような症状が現れるのだと考えています。
手技療法でダイレクトに腸腰筋を整えるのは、できないことではありませんが、大変高度な技法だと思われます。わたしも、完全にやれる自信はない。
しかし橋本操体の技法は単純で、誰にでも使いやすいものです。解剖学に忠実に使用すれば、効果も大きくなります。理学療法などにも、積極的に取り入れてもらえるといいのですがね。
お礼
自らの手技を誇示する回答が多いなか 本当に適切なアドバイスだと思います。 ご丁寧な回答本当にありがとうございました。