> 少量しか生産できず高価なものならPS4のように世界的に大量に売れて安価な製品には搭載できないのでは?
これも理由があります。どんなゲーム機でも立ち上げ時期は、製造原価が発売価格を上回る逆ザヤである場合が多い、つまりゲーム機本体では利益が出ない価格設定になっている。PS4はぎりぎり赤字じゃない原価ではあるものの、流通費や宣伝費を考えたらソニーはPS4本体がいくら売れても儲けはほとんどないか赤字です。これは多少の赤字になってもいいから普及させることが最優先で、ソフトの販売でカバーする作戦だからです。それでも原価は安いに越したことはないけど、立ち上げ時期は採算よりも販売台数が重視されているから、赤字に目をつぶってでも高性能パーツを使っているんですね。
それと、これまたどんなゲーム機でも共通の話として、何年も前から生産計画を立てて生産に必要なパーツの数量や、場合によっては工場の生産ライン自体を予約しています。発売前から作り置きもしているはず。昨日の今日で「何個持ってきて」みたいな注文をやっているわけではありません。なので計画よりも下振れした場合は悲惨です。このパーツいらないから返品ね、なんてことはできず、引き取るしかない。逆に上振れした時も、20%増やしてよとか頼んでもそうしてもらえるかどうかは工場の余力次第です。特殊な部品であるほど、急な増産は難しい。
ゲーム機はPCの1機種とは桁違いの生産台数があるため、作り方・考え方がPCとは全然違います。性能が出るんだったら多少コストがかかろうが一般的じゃないゲテモノだろうが、何でもありです。性能追求の点はグラボに近い考え方だけど、生産規模はグラボの比ではない。コストについては何千万台も作ってりゃ、そのうち下がるでしょ的な発想。まあこんな作り方が通用する機械は、そうそうはないですね。
あとこれはPCならではの問題なんですが、バリデーションが厳しいということがあります。簡単に言えば、互換性テストです。PCってOSも複数あるしCPUもバラバラだしチップセットも…とにかく構成が無数に存在するわけで、これらで全部動作を調べるのは無理だとしても、代表的な組み合わせで主要なソフトを動かして確かめるようなことをやっています(ブランド品メモリが高いのはこのため)。でもGDDR5は基本的にグラボ用なので、そんなバリデーションなんてやったことがない。もしやったらどんな結果が出るか??その点PS4なら構成は一種類だけだし、ソフトもPCと比べたらカスみたいな量しかないので、バリデーションも簡単。
お礼
ありがとうございました