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中国人にクリスチャンが多いわけ
前々から不思議に思っていたのですが。 中国本土以外に住む中華系のひとって、どうしてクリスチャンが多いんでしょう。 フィリピンとか、マレーシアとか、香港とか。あと、世界各地のチャイナタウンでも。 他の国の移民は、たいてい移住しても母国の宗教を継続してますよね。 それとも、中国ってキリスト教が広まってる国でしたっけ。仏教か儒教かと思ってましたが。 クリスマスだったので、思い立って書いてみました。 何か思うところがありましたら、ご意見お願いします。
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まず、移住者が改宗したのか、それとも移住者の子孫が改宗したのか、そのあたりはおわかりになっていますか? 世界各地に住んでいる中国人は何百年にも渡って移住しているので、あなたがご覧になっている中国国外居住中華人が移住者一世だと断定することはできません。 他の国の移民とおっしゃっていますが、非中華系移民にしても、かれらが移住者一世なのかどうか、その要素を抜かしてこの問題を見ると、誤った結論に走りかねません。今現在見えていることがらだけでなく、そういう歴史的な要素も検討の一部に加えるようになさると、もっと正確にものごとが見えるようになるでしょう。 だからまず、中華系だけがキリスト教に改宗する傾向が高く、他の国の移住者はそんなことはない、という意見は歴史的な要素を織り込んでもう一度検討してください。 あなたがあげられているフィリピン・マレーシア・香港さらにはベトナム・シンガポール・インドネシアなども、中華系のひとたちの中のキリスト教徒の比率は実際に高いです。 それは、そのようにすることで社会生活上あるいは精神面でメリットがあったからだと思われます。まず東南アジアをかつて支配した植民地宗主国はすべてキリスト教文化で社会が営まれている国でした。宗教が共通的に持っている特徴として、同じ信徒は同胞だという意識があります。植民地支配者が同じキリスト教を信仰する原住民に政治的な優遇を与えた例は枚挙にいとまがありません。 次に、現地の社会生活における原理が、植民地支配者による西洋文化の植え付けによって変化していきます。現地人にとってはそれが文明化なのですから、それを積極的に支持する傾向はおのずと強まります。西洋文化というのはキリスト教文化に根ざすものであり、意識するとしないとにかかわらず、キリスト教的なものごとが現地の文化に浸透して同化作用が起こります。そういうキリスト教的なものを包含している文化の中で育ってきた世代にとって、キリスト教への入信というのは比較的容易になるでしょう。自主的なケースもあれば、恋人があるいは結婚相手がクリスチャンだからといったことで入信するひとも出ますよね。 インドネシアでは、オランダVOCの支配が始まる前に移住してきた中華系のひとびとの多くは、イスラムに入信しました。それは移住地の地元支配者が強制した要素もあるにはありますが、移住先社会がイスラム教の原理で運営されていたからです。結局、郷に入っては郷に従うということで社会生活を移住先にあわせると、その社会生活の中に個人生活を規定する規範が含まれており、社会生活を完璧にあわせようとするなら精神面を含む個人生活も同時に変化させざるをえないのです。 人間が協力しながら集団生活を営むようになったとき、その集団をどのように秩序立てて円滑で効率の良い、そして力のある強い社会にするかということが第一の問題になりました。そのときに、社会構成員にはその集団が持った文化に沿って社会における行動をどのように統御するかというポイントと、それに不即不離で人間個人がどのようにあるべきかという、車の両輪のようなふたつの原理が問題になってきます。 それらを統合してひとつの構造物とし、社会構成員に教育と指導を行なう手引きとして起こってきたのが宗教なのです。「おやっ?」と思われたかもしれませんが、どの宗教も神と呼ばれる超越者と個人の関係を規定しながら、その一方で社会の秩序立てと効率の良い社会運営を同時に行なうことにつくすよう、人間のあり方を規定しています。 つまり、人間が社会生活を開始したとき、その社会生活の目的を効果的に達成させるよう、構成員に社会生活と個人生活の規範を与える機能を果たしたのが宗教なのです。言ってみれば、宗教というのは人間の文化生活をもっとも根源で支えているものなのです。 きっとあなたは宗教というものを個人生活のしかも精神生活における魂の救済という要素に限定して見ているのではありませんか?日本の中ではそれが常識でしょうが、日本の外の世界は上で述べたような、社会生活と個人生活の双方を車の両輪として規定し、善き人間としての生き方と優れた社会を構築するというふたつの面が撚り合わされながら実行されるような規範を社会構成員ひとりひとりに与えることで完成度の高いシステムになってきているのです。 どうして日本は違っているのかという考察はここで述べませんが、日本にもこうなった歴史上の推移があります。ともあれ、宗教の改宗という現象は日本人が考えているほど信仰や精神面での誠実さ云々といったシンプルなものでなく、人間が営む日常生活における要素が強い要因として働いているので、どの宗教が優れているから改宗者が多いのだとかというものの見方も本質からそれてしまうように思われます。
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- hekiyu
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中国本土のキリスト教徒は、wikでは350万に なっていますが、1,5億人ぐらいだという日本の 学者もいます。 その学者によりますと、仏教は1,3億、道教という 土着の宗教は4億、無宗教が5億ぐらいだ、という ことです。 中国本土以外に住む、というと華僑でしょうか。 華僑にキリスト教徒が多い、というのは知りませんでした。 ソースは何処にあるのでしょうか。 中国人の行動原理になっているのは、儒教ではなく道教だ と言われています。 キリスト教徒でも仏教徒でも、これは同じで、 道教は、富貴長寿という現世利益を求める中国人の価値観の 根幹をなしている宗教です。 道教は多神教で、キリスト教のように教義や体系が明確 ではありません。 だから、どんな色にも染まるのです。 フイリピンはキリスト教の国ですし、香港は英国統治の国 でしたから、キリスト教徒が多いわけです。 そういう処に住むようになった華僑がキリスト教徒に なることは十分に考えられるところですが・・。 マレーシアはイスラムですから、キリスト教徒は 少ないのではないですか。
お礼
お礼がこんなに遅くなってすみません。 中国本土での宗教分布がそんなに細分化されてるとは知りませんでした。なんとなく一律的な印象があったので。 架橋とは限りませんが、今現在の中国外の中華系の人って、熱心なキリスト信者が多いような気がして、特に熱心でいるのが不思議だったので。ソースは、おそらくこの「教えて!goo」に投稿する人の大多数がそうであると思われるように、私の個人的な見聞による印象です(もちろん、このことも特に統計などを調べたわけではありません。) お恥ずかしながら、儒教と道教の違いもよく知らないのですが、つまり、元の道教が、他の宗教に改宗しやすい宗教だったので、移住先で簡単にその先の宗教に改宗できたということなんですね。 他国籍のたいていの移住者って、移住後の2世、3世になっても祖先からの宗教をかたくなに守ってるケースのほうが多いと思いましたので(これもとくに統計などを調べたわけではないです、ただ、例えばアメリカでもわざわざイスラム教や仏教のお寺などが建てられてるぐらいなので、きっとそうなのだろうと思いました。またスーパーでもイスラム用のキャンドルなどが通常売られてたりしますし)どうして中国系の人は海外でも旧正月を祝ったり風水を守ったりするのにも関わらず、キリスト教なのが多いのかなと疑問に思っていました。ソースは、香港に住む知っている人が、香港ではクリスチャンが多いと言ってましたし、私が昔知り合いだったフィリピンに住む中華系の人も、一族みんなクリスチャンで、クリスチャンの行事を親類皆ですると言ってましたので。マレーシアは私の思い違いでした、すみません。 中国人がもともと道教ベースで、それが他宗に改宗することに妨げにならない教えであることが、中国人が移住先の現地宗教に簡単に改宗しやすくさせ、その結果キリスト教である移住中国人が多いということが理解できました。 どうもありがとうございました。
- hideka0404
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キリスト教国の植民地や疎開地や、そのものだから。 中国本土でも、18世紀に太平天国というキリスト教のカルト教が広州一帯で広がり、清に反乱を起したことがあります。
お礼
お礼がこんなに遅くなってすみません。 そういう歴史があったんですね。 反乱を起こすまでの根ざし方ってすごいです。 どうもありがとうございました。
- rokometto
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今中国では共産党員よりクリスチャンが多いそうです。 一時期共産党が攻撃していたのですが最近はなりをひそめているようで。 勝てば官軍の弱肉強食社会に嫌気がさしてる中国人も多いのです。
お礼
お礼がこんなに遅くなってすみません。 中国では宗教と政党って同列で考えられているのですね・・・。 どうもありがとうございました。
お礼
お礼が遅くなってすみません。 >まず、移住者が改宗したのか、それとも移住者の子孫が改宗したのか、そのあたりはおわかりになっていますか? いえ、とりあえず今現在生活している中国本土以外で暮らす中国人の方という意味で、その方の親や祖父母が改宗してその代の人がそうなのかどうかまで細かく考えていませんが、それでも通常宗教って親のものを受け継ぐのが一般的ですし、個人の意思で改宗するのは少数派だと思いますので、おそらく前者になると思います。 No.3のご回答者からのお話からも伺えた通り、他国の人に比べ中国の方は、他宗教に改宗しやすいベースがあることはわかりました。移住先の宗教に変えたほうが生活しやすいというのは、中華系の方だけに限ったことではないと思いますし、それでも頑なに祖先からの宗教を守ってる移住者もいると思いますので、やっぱり、中華系の方は特に改宗しやすい傾向があるんだと思います。 移住先で統合してとおっしゃってますが、けっこう移住先でも同じ母国を持つもの同士がコミュニティーを作って生活しているケースが多いように思います。アメリカでも、交じり合ってというより、むしろ住み分けてる感があるように思います。メキシカンの人がほとんど英語がしゃべれず、スーパーでもスパニッシュで会話してたり、また製品の表示も英語だけでなくスパニッシュでも同じ内容がかかれてたりしますすし、イスラム教や仏教の寺院が建ってたり、ネイティブの方(現在のアメリカ人のことで、ネイティブアメリカンのことではないです)も、けっこうアメリカン同士のみでのコミュニティーを好んで、他国の移住者とは必要最低限度しか関わらなかったりしますし。 私は国際結婚でアメリカに数年暮らし、その元夫はクリスチャンでしたが、私は特に改宗して洗礼を受けたりせずとも、普通に暮らせてました。個人的な移住者と、数十年前に移住してきた一世以来生まれがそのそも日本ではない日系人とは根本的に別物でしたから、関わりはほとんどなかったのですけど、彼らも仏教だったように思います。それともクリスチャンだったかな。このへんは定かでないです。ただ、個人で移住してきた人には、あまりクリスチャンに改宗した人はいなかったように思います。あるいはそもそも日本に居るときからクリスチャンだった人か。 もちろん、社会の思想のベースがその国の支持する宗教に基づいているのはうなずけます。だから私もある程度のキリスト教についての知識は持ちましたし。ただ、知識を持つというのと、信仰するというのとはまた違うと思うんですね。あるいは、その国の人に気に入られようとして、その国の宗教に熱心な振りをするということでしょうか(ちょっと考えられますが。) 実を言えば、私もアメリカにいる頃、何度か元夫にクリスチャンになって欲しいみたいなことを言われましたし、他のクリスチャンの人も、あからさまではなかったけれど、やっぱりキリスト教がこの世で一番正しい、みたいな感じが見受けられて、だから逆に、もし私が洗礼を受けて熱心なクリスチャンになったとアピールすれば、ものすごく受け入れられて生きていくには何かと都合がよかったかもしれなかったと思います。移住した中国人が改宗してクリスチャンが多いのも、生きる知恵ということでしょうか。 深く考えさせられました。どうもありがとうございました。