「シナ人」という言葉は…、日本が作った「和製中国語」とはかぎらないと思います。なぜなら
フランスでもシナといいますが、英語読みのチャイナをフランス風に読んだだけのこと。シナ人の
ことはシノワといい、料理で素材をお湯の中からすくい上げる道具も中国人の帽子に似てることか
らシノワといいます。
つまり、シナとはチャイナのこと、というよりも、シナという呼び方が先にあってチャイナが出
来たと考えるべきでしょう。それではなぜ中国人や台湾人はチャイナという呼び方を嫌わないので
しょう。
そういう風に、段階をおって考えを勧めて行くと、その先には、台湾の人たちがシナ人と呼ばれ
るのが嫌だというよりも、むしろ中国人と見なされることそのものに嫌悪感を抱いているというの
が本音ではないでしょうか。
われわれ日本人は台湾もまた中国の一部と認識しています。しかし、台湾の人たちは中国本土の
文化や習慣とはまたひとつ異なった独自の文化を持っています。
わたしには正確に彼ら台湾人の心の内を知ることはできませんが、ひょっとしたら、彼ら台湾人
は、わたしたち日本のように、中国から離別して、独自の国家を樹立したいのではないでしょうか。
もしそうだとしたら、現実はかなり厳しいと思います。なんと言っても、中国は常に台湾の離反
を警戒しています。一衣帯水、媽祖の海峡を挟んで、もし台湾に離反の兆しが見えたら、おそらく
大変な戦乱は避け得ないことでしょう。
そうした現実があるからこそ、なおさら台湾は反中国的な方向を目指したがる。一方で中国を愛し
ながら、他方で独立を夢見る。そんな宙ぶらりんの台湾人だからこそ、十把一からげに中国人と言
われることを嫌っていのではないでしょうか。
と考えると、シナ人という古めかしい呼び方に対する台湾人の嫌悪感は、それ自体への直接の感
情ではないように思えてならないのです。
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お礼
ありがとうございました。 「シナ人」はれっきとした日本語であります。 →もともと軽蔑の意味を含んだわけではないが、歴史的な原因で そこが問題なんですよね。 これを安易に認めてしまうと、 「言葉狩り」になります。 日本が敗戦した矢先に、 シナは因縁をつけてきました。 音声語源は「チャイナ」も「シナ」も、 元々一緒なんですよね。 もう戦後70年近くなります。 歴史的背景が原因ならば、 時間と共に差別的含意は 薄れなければなりません。 そうでないなら、 正しく「言葉狩り」です。 嫌がる私的友人にワザワザ使う必要はありません。 しかし、公私は別であり、個人と民族(全体)は別です。 蔣介石といえば、台湾・台北市にある 「中正記念堂」を思い出しました。 ※原語は「中正紀念堂」と表記。 英語では「蔣介石メモリアルホール」。 (無理やりカタカナで書きましたけど。) 台湾もやはり元々は中国だし、 西洋ではご近所の日本以上に、 日常生活で両者の区別を意識しない人も 少なくないようです。