橋の下の乞食について
最近、久ぶりに会う友人たちによく言われる。
「随分と太ったねえ」と。私もそれは気にしていたので、また言われたか、と内心思うのである。生活の乱れが原因なのだろう、77キロも太ってしまったのだ。嘘ではない・・・
大阪市内ではないが、ほど遠からぬ場所にある、名も知らぬ中ぐらいの川に橋が架けてあった。コンクリートでできたその橋の下に、乞食が住んでいるということで、私と兄と友人Kの3人で、見物に行くことになった。
子供らに冷やかされると、形相を変えて追いかけてくると噂の乞食は、そのときは留守であったが、その存在を裏付けるべく、橋の下には毛布があり、生活感も漂っていた。私たちは収穫も少ない状態で帰路につきかけた。
帰り道で友人Kが、川の向こう側で畑をいじっている乞食を発見した。私たち3人のテンションは上がった。まず友人Kが、こう叫んだ。
「おーい乞食!」乞食はこっちを睨み、走ってきた。私は
「乞食が移るわー」と言った。兄は
「お尻ペンペーン」などとゼスチャー付きで笑い飛ばし、それでも相手はかなりのスピードで走ってくるので、私たち3人は必死で逃げた。捕まったら殺されるかも、といった心境であった。
私たち3人は逃げ延び、その後、その橋には行っていない。そしてそれから数十年が経った今思う。私たちの行動は、大きく間違っていたのではないかと。時代は変わり、現在日本は平成と名づけられた。乞食に対して私たちが取った行動は正しかったのか?他を選べなかったのだろうか?
乞食すら遊び道具にしていた私たちに、誰か教えてください。
https://www.youtube.com/watch?v=k0WU1ePzhOI
お礼
恥ずかしながら「盲亀の浮木」は知りませんでした。 凄く含蓄のある言葉ですね。 人間、特に大人になってからは、なかなか成長出来ないですもんね。 >「雉を撃つ」 これは、多分、山屋さんの言葉でしょうが 婉曲かつユーモラスで良いですよね。 >「お天気雨」=「キツネの嫁入り」! これは、ほのぼのしてて凄く良いです(笑) ご回答ありがとうございました。