五十肩(四十肩)は正式には肩関節周囲炎といい、しっかりした診断の基準があります。よく誤解されがちですが “肩が痛い=五十肩” とか “診断がつかない原因不明の肩の傷み” ではありません。肩の痛みには五十肩(肩関節周囲炎)の他に腱板損傷、石灰性腱炎、インピンジメント症候群などあり、頚椎症や頸椎椎間板ヘルニアなど首の異常でも肩に症状が出ることがあります。腕が上がらないのであれば特に腱板損傷との鑑別が必要になってきます。
肩関節周囲炎は病院で正しい治療を行った場合でも完治までに数か月かかります。早い人で3か月ほど、遅い方で1年ほどかかります。「五十肩は自然に治る」 というような意見もありますが、正確にはそうではありません。肩関節周囲炎とは “痛み” と “関節の動きにくさ” が出てきます。ですから痛みに対しての治療と関節の動きに対しての治療を並行して行っていきます。確かに痛みは時間が来れば自然と無くなりますが、関節の固さはなくなるどころか放っておけば進行し最後には固まってしまします。 “痛みは取れたけど腕が上がらない” では全く意味がありません。後遺症を残しては完治したと言い難いでしょう。
病院で運動など指導やリハビリの処方はありませんでしたか?