運転そのものは、しばらくハンドルを握っていればわりに早く慣れてくるはずです。精々、最初のうちは晴れているのにワイパーが動いてしまったりと、何度か奇妙なことにもなるでしょうが、そんなのはすぐ慣れます。操作系に違和感を感じそうに思えるなら、あえて馴染みやすいカムリなど日本車を選ぶのもひとつの方法でしょう。
安易に考えていると、思わぬところで失敗をしてしまいやすいのが交通ルールです。アメリカ、ことに中西部はクルマは生活必需品です。それだけにクルマにとって便利なルールが多いものですが、取り締まりは結構厳しいので、あらかじめルールには目を通しておいた方がいいでしょう。
前の方がお書きの赤信号でも右折が出来るとか、右折レーンに入ったら、もうウインカーを出さなくてもいいとか、スクールバスが乗降停車をしている際は対向車線のクルマも停止しなくてはならないとか、わたし自身は主にヨーロッパで運転していますので、アメリカのルールには強くないのですが、日本とはかなり違うルールがありますし、ルールは州にっても違いがあるように感じます。
交通量も少なく、ただ真っ直ぐな道を走っている分にはなにも起きないでしょう。ただ、遠出をするならガソリンの残量、そして国内の国産車ならあまり気にもしない油温とか冷却水にも一応注意した方がいいでしょう。レンタカーの借りっぱなし、乗りっぱなしは時として生命にかかわることもあります。少なくともタイヤのひび割れと、スペアタイヤと交換工具ぐらいは確認しておいてください。
街中で気をつけなくてはならないのは、左折です。曲がったとたん、つい反対車線に飛び込んでしまい、目の前に迫ってくる大型トラックなどという経験はよくあるものですが、はっきり危険です。また、車線区分がはっきりしないやや狭い道で、前から急速に近づいてくる対向車、慣れない日本人は、あわてて反射的にハンドルを 左 に切ろうとすることがあります、これはまさに自殺行為です。
街中の駐車場に出入りする場合は、かならず歩道を横切ります。こうした際には、前を通る歩行者が絶えるまで、アメリカ人はとても辛抱強く待っているものです。
アメリカ、あるいはヨーロッパで運転することは案外簡単で楽しいものです。ただ一つ、困るのが、帰国してからしばらくは西欧風の運転習慣が抜けないことです。ことに、ヨーロッパで運転した後は、やたら飛ばしてしまって、ハッとすることすらあります。