当初、HTML5 の正式勧告は 2022 年とされていました。今から数えても 10 年後ですね。
考えてもみて下さい。1997 年に勧告された HTML 4.0(1999 年に改訂されて HTML 4.01)でさえ、2012 年になった今でも、フルサポートしているブラウザは「ありません」。15 年も経ったのにですよ。
さて、HTML5 の策定グループは、正式勧告までに HTML5 をフルサポートするブラウザを最低 2 つ、という目標を掲げました。上に書いたように、HTML 4.0(1) の歴史を見れば、決して長い時間ではありません。現実的に必要な期間です。
しかし、やがて HTML5 の策定グループは気付きました……こうやって、ブラウザのサポート状況を確認しながら HTML の仕様を作っていくのなら、正式勧告なんてこだわる必要なくね?
そう、HTML5 で大事なのは、HTML の形式よりも、ブラウザの振る舞いの方です。HTML の形式が何であれ、ブラウザがしっかり振る舞えば良い。HTML5 とは、そういう仕様です。ブラウザがちゃんと振る舞えるよう、HTML を正しく書く必要があるのです。
そういうわけで、昨年 2011 年の 1 月、HTML のバージョンは廃止されました。今後は HTML6 も HTML7 も出ません。単に HTML、または HTML 標準と呼ばれます。
まあ、HTML5 の名前も広まってしまったので、当分は HTML5 の名称も使われます。
補足
>たとえばHTML5となっても変わりません。 の部分はHTML6のことでしょうか?