他の人が触れていないので。
3手目の角交換ですよね。
これは、大雑把に言って、「先手なのに後手になる手」です。
芹沢九段が存命の頃に、「プロ棋士が指したら破門になるかも」という手です。
当時は、「棋理に沿った手を指すべき」とされていました。
「将棋理論に沿った手」っていうのは、9割以上は正解手になりますから、悪く言うと「事前研究をしていなくても指せる手」です。
そうそう、今は、プロ棋士の義務とまでいわれている「事前研究」は、当時は「卑怯」といわれていました。
谷川九段も、当時は、「事前研究通りに指して勝つのは、将棋なんだろうか?」って将棋世界に書いていました。
穴熊なんかも、「破門」といわれる覚悟で指していました。
30年くらい前の話です。
その頃が一番という人も居ます。
その頃の方が強かったのですから、ま、当時が一番なんでしょうが、そんな人の中には、相手が穴熊に囲っただけで、対局を放棄する人も居ます。
そういった系列ですと、3手目の角交換は、「将棋理論に反した許さざるべき手」なんです。
角交換後の、盤面を見ると、先手が歩がひとつ移動、後手が歩の他に銀も移動しています。
後手なのに、先手よりも多く駒を動かしたことになります。
それが「将棋理論に反した許されざるべき手」なんです。
今では、「自分の得意な角換わり戦法に誘導する手」ということで、成れば、マナー違反を言う人は少ないですが、ゼロじゃないです。
ま、角換わりは、ちょっとうっかりすると、角を打たれて、ボロ負けしてしまいますから、弱い人で、角換わりが大嫌いな人もいます。
穴熊されるのが、大嫌いな人と同じようなものですが、将棋人口の数%は確実に存在します。
そういった人が、相手だった場合、成りなら、不機嫌になる程度で済みますが、成らずだと激昂させることになります。
成らずって指す時は、そういった覚悟が必要でしょう。