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エディション数の決め方
版画やプリント可能な絵などのアート作品について、エディション数はどのように決めたらよいかわからずに悩んでいます。 エディション数の決め方の指針や、一般的なエディション数などについて教えていただけると幸いです。 なお、販売価格は20万円程度を予定しているようなものです。
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- nacht246
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そもそも、なぜ、限定番号を書かなければいけないのかというと、 版画の場合、一つの理由としては一定以上の枚数で刷ると品質が 維持できず、作者が作品の品質に責任がもてない状態が生じてくる ことが挙げられるのだと思われます。 中には凸版や孔版のように比較的たくさん刷れる場合もあると思 われる場合もありますが、例えば平版や凹版の中にはリトグラフ、 亜鉛版や銅板を使ったエッチング、ドライポイントやメゾチントの技法 を使用している場合など、せいぜい数枚~数十枚単位でしか刷る ことの出来ない(それ以上刷ると版そのものが物理的に耐えられ ない)版画技法を使っている場合もあるのです。 そんな場合、もし刷る枚数に上限を設定しておかないと、例えば あるお客様には、まだ傷ついていない版で刷られた刷り始めの品質 のよい版画が、もう一方のお客様にはボロボロの版で刷った品質の 悪い版画が、それぞれ同じ値段で売られてしまい、後から後者の お客様に「不公平だ」と怒られる場合が起こり得ると思われます。 だから「この版画の技法では、同じものを一定品質で刷るには、 せいぜい~枚が限界だ。」と一般に思われている数字を分母に 書き込めば、それがその版画の品質を保証するわけです。 これが限定番号を設定する上でのひとつの目安になっていると 思われるのですが・・・・(私はシルクスクリーンには詳しくないので、 その場合はまた違った考え方があるのかもしれませんが) もう一つの理由は複製の防止だと思われます。 例えばリトグラフにおいては、版種において例えば同じ平版の部類 に属するオフセット印刷の技術によって、(作品によっては)本物の リトグラフとほとんど見分けが付かないように印刷する事が可能な 場合もあり得ます。 そうなると技術的に数十枚しか刷れないはずのリトグラフの美術 作品が後から数万枚印刷可能なオフセット印刷による工業製品と して複製され、ほとんど美術品としての価値を失ってしまう場合も 起こりうるわけです。 だから、もし、せっかくお客様が高いお金を払って版画を買ってくれ たのに、後からそれとそっくりの品質のものがチラシみたいに世の 中にもし大量に出回ってきたとしたら、「じゃ、以前高いお金で あなたの作品を買った私の立場はどうなるんだ」とあとでお客様に 怒られる事が起こりうると思われます。 だから作者は限定番号と署名を作品に自筆で書き込んで 「この作品は間違いなく作者が責任をもっている」と品質に間違い のないこと、あるいは勝手に複製されたものではないという保証 を与えなければならないのだと思われます。 あと、画商さんと作家との契約によって刷る枚数を制限される場合 もあるそうです。 尚、版画が全て売れてしまったり、画商さんに全て持っていかれ たりした場合、作家の手元に版画が一枚も残っていないと いう場合も考えられますので、「自分自身の試し刷り」という意味で、 画面の左下にA.P(artist's proof)とかE.A(epreuve d'artste) と書き込んだものを、限定数の10%以内で刷って作者の保有に することがルールになっているようです。 あと、限定番号の分子に書く数は刷った順番と関係するものでは ないそうです。 大体一般的な考え方としてはこんなところでしょうか。 (これ以上のことは私には解りません。すみません。)