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燃料費のからくりと航空券購入のタイミング
- 燃料費ゼロキャンペーンを利用し、格安航空券を購入できた経験から、航空券購入のタイミングについて疑問を抱く。
- 旅行代理店は燃料費に関する情報をオープンにしない傾向にあるのか疑問。
- 航空会社は燃料費の変動情報をウェブサイトに公開しているのか疑問。
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>税(燃料費含)が運賃そのものよりも高く、「航空券」とは一体ナンなのか まず「航空運賃」の基本は「正規航空運賃」であることを確認しておきます。これは非常に高額で、成田-ハワイ便のエコノミー(ビジネスじゃないですよ)で片道20万ぐらいします。 ただしこれだと、いつでも乗れる(空席があれば)・他の航空会社に振り替え可能・大体無償でビジネスにアップグレードのおまけつきです。 しかしこれがあくまでも正規の「普通」運賃であり、これぐらいもらわないとビジネスとしては採算がとれない、ということでもあります。 しかしこれでは飛行機に乗る人が限られてしまうので「確実に乗ってくれること」つまり満席になることを想定して「満席になったら一人頭幾ら」の金額になるように、旅行会社に大量販売(旅行会社が売れるかどうかは別で、何十席も売ってしまうので航空会社は空気を運んでも採算があう)したり、さいきんはネットで正規割引運賃として販売したりしているのです。 これだとハワイ便が4万円ぐらいまで下がりますので、普通運賃から見れば20%でしかないわけです。 しかし、ここ数年これらのビジネスモデルを揺るがす事態が発生しています。それは原油の急激な高騰です。 原油の推移を見てみますと、2006年までは大体1バレル=70ドル程度で推移していたものが、2008年8月に133ドルまで急激に上がっています。たった1年半で2倍近い価格になってしまったわけです。 これにともない、ガソリン価格も1リットル80円台だったものが150円を突破する勢いになっていたことも覚えておられるでしょう。 航空会社は飛行機を石油(ケロシン)で飛ばしていますので、原油の高騰はそれだけで経営を圧迫するのです。 そのため、運賃とは「別」に燃油特別付加運賃(サーチャージ)を徴収することができるようになっており、割引運賃だとそれに迫るか運賃よりも高い燃油特別付加運賃になることもありえるのです。 2010年は2008年9月に起こったリーマンショックの影響で経済が冷え込み、2008年7月につけた原油最高価格から一気に元の水準(1バレル70ドルぐらい)になってからまだ世界的に経済の回復が見えていないときでした。 しかし、その後新興国の需要が伸びたために2010年9月ぐらいからまた原油が上がり始め、そのせいでJALのサーチャージ無料キャンペーンは終了したのだと思います。 航空運賃と燃油特別付加運賃は別のものだといえます。 前置きが長くなりましたが、 1.旅行代理店は、こういう情報はこちらから聞かない限りオープンにはしない、という感覚を持ちました。 どうなのでしょうか? 2008年ぐらいまではサーチャージも急激に上がることが少なかったために、ツアーや格安航空券もあまりサーチャージを明示せず、急激な高騰が起こってからトラブルが続出するようになりました。たとえば、航空会社未定で5万のツアーを日程の3ヶ月前に申し込んだ場合、航空会社が決まる直前のサーチャージを徴収されるため追加で2万円支払うことになった、というような事例です。 これがあったために現在ではツアーもサーチャージを含めた金額にするか、または見やすく掲示することになっています。 しかし、原油の動向は予測できませんし「何も知らない素人」という前提でサーチャージを説明すると、上記のような前置きが必要になるため、なかなか積極的に説明する、ということには成らないのだと思います。 旅行会社としては ・誤解のないように伝えて納得してもらうのが難しい ・実際に、数ヶ月先の航空券手配の場合サーチャージが幾らになるのか、はっきり言えない。 という苦労もあるといえます。 ですので、どうしても歯切れが悪くなるのでしょう。 2.航空会社はこういった燃料費の変動をウェブサイトに載せたりするものなのでしょうか? 載せています。 JALだと http://www.jal.co.jp/inter/fuel/detail.html になります。 またニュースでも改定の動きは伝えられますので、細かくチェックしていれば変動はわかると思います。 また、原油価格(WTI)やシンガポールケロシン先物取引(航空燃料の価格基準の市場)をチェックしておくのも有効です。 まあ、高いですよね。あと航空会社によってサーチャージが違うのは先物取引などの契約で、うまく調達できたところは安く、失敗したところは高くなるからです。 リーマンショック前の燃料高騰時には、シンガポール航空や米系の航空会社は比較的サーチャージが安く、日系は高くなるということもおきていました。 またそれがあるので、航空会社が決まらないとサーチャージがいくらなのか明確に言えない、という難点も旅行会社にはあります。
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- Tomo0416
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>旅行代理店は、こういう情報はこちらから聞かない限りオープンにはしない、という感覚を持ちました。 どうなのでしょうか? 代理店の質の問題ではないでしょうか。旅行者にお得な情報は旅行需要の喚起になりますから、積極的に活用するほうが代理店の利益につながります。 仮に客単価が低下したとしても、リピーターを獲得できる方がメリットが大きいのですからね。 >航空会社はこういった燃料費の変動をウェブサイトに載せたりするものなのでしょうか? 掲載しています。日本の航空会社(JAL、ANA)の場合、燃油サーチャージ料金については国交省への申請、認可が必要です。JALは毎月改定、ANAは2カ月毎に改定しています。他の航空会社も2カ月毎に改定しているところが多いようですが、基本的にWEBで公開しています。 JAL:http://www.jal.co.jp/inter/fuel/detail.html ANA:http://www.ana.co.jp/int/unchin/info.html ACA:http://www.aircanada.jp/pdfs/AC-faresFuel-jp.pdf
お礼
三社のウェブを教えていただきありがとうございます! (自分でも調べてみたのですが、うまくいきませんでした。)
補足
JALのページを見ましたが、金額適用期間は9月末までとなっていますね。 実は今回別の旅行会社に問い合わせをしてみたところ、「JALは10月からサーチャージを下げるという情報を得ている」という回答を得たところです。 希望を持ちます(笑)
お礼
すばらしい回答です。 ありがとうございます。
補足
実は日本では「貿易実務」に関わっていまして、サーチャージという「変動を見込んだ相場」という観念は持っていました。 自分が売り手になったつもりで考えれば、おっしゃる通りですよね。