この道何十年というパソコン使いです。それを使うのが本業です。
まず、その九州の人はどれほどのPCを使ってきたのでしょうか、どれほどの家電を触ってきたかそれによります。多くの人は、せいぜいPC歴15年ぐらい。パソコンは家庭と職場で数十台でしょうからね。停電の遭遇率は国内なら、台風など災害時ぐらいで、しかも必ずしもその瞬間に電源を入れているとは限りません。即ち、リスクに遭遇する確率は極めて低いのです。だから、経験上なければ、そんな話はあり得ない。訊いたこともないという話になります。
それは、即ち、このまま世の中が、安定した電力状況ならそういうリスクは低いという意味でもあります。
それを前提として回答します。
本題です。
本当か嘘かでいえば、本当ですよ。ただ、それが発生する確率と投資に対して保険として導入するコストを計ったときに、そのコストが意味ある物かどうかが重要なのです。だから、多くの人は意味がないと判断するはずなのです。しかも、日本の場合は、停電の発生率が極めて低いですからね。
デスクトップの場合でも、その意味はあまり持ち合わせていません。
ノートの場合は、バッテリが内蔵されていますからそれを心配する必要もありません。
一般に、近年はパソコンに限らない話で、例えばデジタルAV家電もルータなどの通信機器や通信家電でも言えることですが、電源が一瞬落ちて、すぐに復旧、その後再び一瞬電圧が下がるといったことがあれば、電源ユニットは高負荷によって破損する確率が飛躍的に高くなります。また、電源ユニットの遮断機や整流装置から漏れた過剰電流や電圧が、基盤を通り、電流、電圧変動に弱いパーツを破損させるリスクも相対的に上がるのです。そのため、データの破損はもちろん、故障という考え方においても、リスクはあるのです。
尚、サーバー装置に無停電電源が登載されている理由は、シャットダウンまでの時間稼ぎはもちろんですが、電圧と電流量の安定を保つためでもあります。雷などの雷撃による破損、電圧低下に伴う、電源装置の破損の防止のためにも、さらに停電前後の電圧のゆらぎを抑制するためにも利用されています。停電の前後は、特に電圧の変動が大きくなりますから、電源への負荷が大きくなりますからね。さらに、もう一つサーバではたこ足はしませんが、流量は使っている電化製品の電源稼働状況でも変化します。その影響も加味して無停電電源装置など多重の冗長電源を利用し、サーバの安全運用管理をしているのです。
これは、これだけの投資をすることに意味があるからです。お金をかけても守った方が良いなら、データを守るために沢山の対策を講じるのですよ。
個人でそれをすることが意味に値するかは、その個人データにどれほど貴重な情報が詰まっているかによります。やればやっただけ、安全性や信頼性は高くなりますが、投資は大きくのしかかります。
それだけの話です。
尚、比較的誰もが遭遇しやすい問題として、
パソコンやサーバの稼働中に電源が落ちた場合に見られるのは、システムデータの破損です。
OSの根幹となるカーネルや、レジストリへのアクセスが発生している場合、何かをインストールしている途中などに、電源装置が停止すると、システムが起動しなくなるリスクが極端に上がります。
これは、MFT(マスターファイルテーブル)上のシステムデータの位置情報が、正確に記録されていないことで発生するもので、発生するとその破損したデータを特定し、バックアップから修復または、新規で導入しない限りは、普及できなくなります。
これが、多くの方が書かれている内容です。この場合は、システムの修復が出来さえすれば、正常に動くようになります。動かなくなるケースも含めて、比較的率は高く、何百何千のPCを扱っていれば、5~10回の電源ダウンで約10%~程度で発生するでしょう。ちなみに、ダウン率が20回になれば、その倍になるかもしれません。30回ならさらに倍かも知れません。電源ユニットは、高負荷がかかるほど遮蔽装置や整流装置、コンデンサが劣化しへたりますからね。
データの破損ではなく、先に記載したハードウェアの損傷は、データに比べると比較的確率が低いですが、一度不良が発生すれば、コンピュータは電源投入時にビープ音を鳴らして、停止します。また、電源を入れた直後に保安機能が働き、電源が一瞬で落ちます。
最悪の場合は、もっと酷く、起動はしますが、動きがおかしく、徐々に動きは悪化します。
最終的に起動しなくなり、ボード交換が必要となったり、複数のパーツが連鎖不良となってしてしまい。
電源、ボード、メモリなど複数箇所を交換しないと改善しなくなることもあります。
これらを、電源から始まった不良と予測できる人は、あまりいません。即ち、その瞬間に壊れて、中を見てここが焦げているなどと判別が出来なければ、停電が原因だとも思わないのです。
この率は比較的低いですが、数百台とあれば、5~10回のダウンで3%~ぐらいで遭遇していると思います。これもデータ破損のリスクと同じで落ちる頻度が高いほど、徐々に率は上がります。
ここまで言えば、分かりやすいと思います。それぐらいのリスクであり、それが現実です。だから、大丈夫だと思いこんでいる人もいますが、実際は率は低くとも、頻繁にダウンすればするだけ確率は高まります。後は、そのリスクが大きいと取るか小さいと取るかでしょう。計画停電などがあり、そのPCが24時間稼働し、尚かつとても大事なデータを持っているなら、考えた方が良いでしょう。
そうでなければ、とりあえずバックアップに心がければ気にする必要もないでしょう。
個人的には、便乗ではないと思いますが、気にするような状況の環境は、今の段階では日本にはないでしょう。大事なデータをしっかりバックアップしていれば、気にすることではありませんからね。
いかがでしょうか?