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映画「アイズワイドシャット」について
- 映画「アイズワイドシャット」のタイトルについて、ウィキペディアでは「目をぱっちりと閉じる」という直訳的な意味とされていますが、キューブリックが意図したニュアンスは不明です。
- 映画「アイズワイドシャット」でトムがパーティで儀式を見ている時に、2階からトムを見て会釈をしてくる夫婦については、誰なのか特定されていません。
- 映画「アイズワイドシャット」でパーティでトムをかばった女性の最後について、具体的な詳細は明示されていません。
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30代独身サラリーマン(♂)です。 1)タイトル「アイズワイドシャット」の訳・意味について 小説家の開高健の作品に 「輝ける闇」という作品があり、 開高健は生前、「現代とは輝ける闇である」 という主旨の発言や文章を遺していますが それに近いのではと思います。 「目は大きく見開かれ、しかし何も見えない(見ようともしない)」 4)ラストシーン前に寝ているニコールの隣りに 仮面が置かれていた件について 物語上の流れからは 「お前を見ているぞ」という警告に取れますが、 同時に 「実は妻が全てを知っていた」 ということだったら面白いなーと思いながら 私は観ていました。 優れた作品には物事の"二重性" (存在そのものとその存在の意味)が潜んでいると 個人的に思って日々映画を楽しんでいますが、 この作品の結末は、キュブリックが故意に定まらないように 仕掛けていることは間違いないと思います。 キュブリックの全作品の中では、まだ評価が定まっていない観 がありますが、氏の他の作品と同様にまだこれから時間をかけて 人々に咀嚼され議論されて評価が上がっていく作品 なのではないかと思います。
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- ucok
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原題はそのまま「Eyes Wide Shut」ですね。まず使わない不自然な表現で、言ってみれば造語です。一般的な表現として「eyes wide open(大きく見開いた目)」という言い方があります。明らかにこれをもじっているわけですが、強いて直訳するなら「大きく閉じた目」とでも申しましょうか。解釈は観客に委ねられています。その他のご質問に関しても、解釈はすべて観客に委ねられています。そこが面白いわけです。 しかし、せっかくですから私の解釈を述べましょう。 * ************以下はネタバレを含みます************ * まず、この映画には原作があるのはご存知かと思います。「夢奇譚」という題名で文庫が出ていますが、あらすじに関しては、こちらが詳しいですね。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E5%B0%8F%E8%AA%AC このように、夢か現か区別がつかない世界を描いているのが、この物語の醍醐味なので、必然的に謎だらけにわけで、ちなみに、物語は完全に白昼夢だと解釈している読者もいるようです。さて… 1)「Eyes Wide Shut」は「好奇で大きく目を見開いているようであり、その実は閉じていて夢を見ているか、現実から目をそむけている」主人公(もしくは主人公たち)を表しているのではないかと私は感じました。 2)会釈をしてくる夫婦は、パーティの主催者であると解釈するのが自然です。そしてビルとしては、「いわゆる中年の金持ち変態夫婦が退屈しのぎに開いている乱交パーティか」と思ったに違いありません。でも、のちのちの展開からして、夫は(シドニー・ポラック扮する)ヴィクターだとビルは疑うようになったのでしょう。秘密のパーティにビルが潜り込んだのを承知のうえで、ヴィクターがはめたのだと。しかしそれは、ビルの妄想かもしれません。 3)パーティでビルをかばった女性の死因は謎です。ヴィクターは麻薬のやりすぎが原因だとしています。しかしビルは、誰かが何かの秘密を隠そうと、口封じか何かのために殺したのではないかと疑っていると解釈するのが自然です。そしてその秘密は、例の乱交パーティに関係しているのではないかとビルは思っています。しかしそれは、ビルの妄想かもしれません。 4)も含めて私は、どういう解釈が妥当かと自分の中で結論付けるよりは、解釈が不明なさまざまな事柄に、ビルが翻弄されるところが面白いと感じています。したがって4)に関しても、アリスがビルの夢の中の人物で、いろいろに解釈できるいたづらを施してビルを惑わせていて、ビルはその夢から永遠にさめないだろうと思いたいです。もう少し現実的な話をすると、ビルは麻薬中毒なのかもしれません。