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お勧めの音楽理論書を教えてください。
お勧めの音楽理論書を教えてください。 出来るだけ内容が豊富なものをお願いします。似たような質問が他にもありましたが、趣旨がやや違うので別に質問させていただきました。そちらでは『かたくない』内容の本、と書かれていました。私は逆に『出来るだけ内容が多い本』を教えていただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。
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「音楽理論書」とひと口に言っても、ジャンルや対象読者によって随分違います。 また、プレイヤー志向なのか、作曲志向なのか、編曲までやりたいというのかによっても違います。 硬いところでは、音大が授業で使うような教科書もありますし、中学生の副読本程度の、「初めての楽典」みたいなのもあります。 音楽の理論書で一番目に持つのは、「楽典」です。 「楽典」は、五線譜を書く上、読む上での約束ごとが書かれています。 オタマジャクシの長さから始まり、音楽の専用記号の読み方や意味などが書かれています。 たいていは、音楽用語辞典や、巻末索引が付いていて、言葉から検索できますが、ここでもポピュラー音楽の楽典とクラシック音楽の楽典では、使う言葉が変わります。クラシックでは、イタリア語、ドイツ語が中心ですが、ポップスではこれに英語が加わります。 「楽典」が終われば、「和声学」を学びます。 「和声学」とは、オタマジャクシをタテに積む理論とそれらをヨコにつなげるときの理論です。 ここでも、クラシックとポップスでは、禁則(やってはいけないこと)の範囲が違います。 クラシックでは禁則となっていても、ポップスでは可となっていたり、その逆もあります。 クラシックでは3音構成の和音が中心ですが、ポップスでは4音、あるいはそれ以上の構成音からなる和音もしっかり学ぶ必要があります。 同じメロディーでもクラシックの理論でアレンジすると面白くないが、ポップスの理論でアレンジすると面白い場合もあります。 「和声学」は、ポップス業界では「コード理論」と呼ぶ人が多いです。 「和声学」が終われば、「対位法」に進みます。 「和声学」が、タテ積みの和音を中心に考える学問に対し、「対位法」は、ヨコに流れるメロディー同士の絡み具合を学ぶものです。主旋律に対して、効果的で美しい対旋律を付けるような方法などを学びます。ここでもクラシックとポップスでは、「美しい」という概念がちがうので、自分の好みのジャンルに合った本を選ばなければなりません。 上記三つの基本的なハウツー書のほかに、「作曲法」、「楽器法」、「編曲法」などがありますが、例えば、いきなり「編曲法」の本を買っても、「このモチーフを使って1楽節行ったところでダカーポし、二度上に転調して、そのまま四小節のエンディングで終わる。最後のコード進行はI-6-2-5とし、最後のトニックコードはI6とする。」 などと書かれていてもチンプンカンプンになります。 以上のように、なかなか深いものですから、内容が豊富なものを希望といっても1冊の本にまとめたものは無いと思います。まずは、「楽典」と書かれた本から、自分の求めるジャンルのものを選ぶことです。 楽典をしっかり学べば、そのつぎは、「作曲の仕方」とか、「編曲の方法」という本を買っても大体内容は理解できます。 ポップス系の楽典なら下記のサイトでも良いです。 http://musical-grammar.com/ クラシックの楽典では、おそらく下記の本が日本で一番売れていると思います。 高校の音楽の副教材として多く使われています。硬い本です。 http://www.amazon.co.jp/%E6%A5%BD%E5%85%B8-%E6%B1%A0%E5%86%85-%E5%8F%8B%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4276100011 しかし、最近は必要に応じて楽典の解説をしながら本題を進めていく本が多く出ています。 わたくし的には、その場合でも「楽典」の本を一通り読んで、ざっとした知識を身につけることをお勧めします。 作曲志向ならこの本か、下に書いた「コード作曲法」です。 最近は、先にコード進行を作る、あるいは既存のコード進行の上に作曲する方法がアマチュアでは主流になっています。 よくわかる作曲の教科書 [単行本] http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0110793974 コード作曲法 ~藤巻メソッド~ DVD-ROM付 [単行本] http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102891872/subno/1 編曲をするならこちらですが、一応上記のどちらかを済ませてからのほうがよいです。 アレンジャーが教える編曲テクニック99 (CD付き) [単行本] http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102908117/subno/1
お礼
丁寧に教えてくださって有難うございます。 音楽理論書でもジャンルが多岐に渡るのは知りませんでした。不勉強でした。教えてくださってありがたいです。 楽典が基本、とはよく言われますね。 和声学は恥ずかしながら知りませんでした。この機会に覚えておきます。 様々なURLまで貼っていただき恐縮です。 以下は素人考えです。私は音楽が何故人にとって快をもたらすか考えました。そうして得た結果は野生で生きていた頃の名残という考えです。つまり野生で生きる時に有利になる様な音楽が快の感情を呼び起こすのかと思います。 『楽典→和声学→対位法』という流れをよく覚えておきます。 1万円くらいしても良いので音楽の理論が1冊で網羅されている本がいつか発売されて欲しいです……。 まずは手元にある楽典を読み返します。この度は丁寧な回答、誠に有難うございました。