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野村萬斎さんが映画「陰陽師II」で披露した舞について
- 野村萬斎さんが映画「陰陽師II」のラストシーンで披露した舞について、当時の雑誌のインタビューで話していました。
- アメノウズメノミコトの舞は狂言の演目に関係しているのか、また女舞についても知りたいです。
- 伝統芸能に詳しくないので詳しい方に教えていただきたいです。
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はじめまして。 私は狂言を観始めて10年ほど、野村萬斎さんのファンでもあります。 ですが、狂言の研究をしているわけでも、萬斎さんの活動について多くを把握しているわけでもありませんので、わかる範囲内で回答させていただきます。 雑誌のインタビューの内容については、私もわかりませんし 萬斎さんが何かの時にアメノウズメの役として舞った、という話はいままでに聞いたことはないです。 1994年にフランス・アヴィニヨン演劇祭で「スサノオ」という新作能(現代能?)に出演されたようですが、その時はスサノオ役なので、これではなさそうですね。 能楽には、特異な「翁」という神事があり、そのなかに狂言方が勤める「三番叟」があります。 天岩戸の前で踊ったアメノウズメの舞が、神事・神楽のルーツであるそうなので、そこから「三番叟」にも繋がっているようなのです。 萬斎さんが芸術監督を務める世田谷パブリックシアターで開催された「MANSAI解体新書」という公演の第6回で、萬斎さんがこんなことをおっしゃっています。 “和泉流の伝書の中に、『三番叟』における黒式尉がじつはアメノウズメと同体であるというような記述 があります。「黒式尉という黒い翁の面をかけて舞う時には、アメノウズメを思え」とあります。” (朝日新聞出版の『MANSAI解体新書』という本から引用しました) 映画のときのインタビューでは、このような関連性のことを話したのではと推測しますがいかがでしょうか。 映画での巫女姿の舞は、前作同様萬斎さんならではの創作ですね、素晴らしかったです。 狂言ではあのような動きの舞はありません。 しかし、舞の始めの両腕を開いて顔を上げるところは、三番叟・鈴ノ段の始めの所作と同じようです。 また、狂言には女舞と称するものはないと思います。 ですが「大般若」「石神」という狂言には、女性(役の上での)が神楽を舞う場面がありますよ。 もちろん映画のような激しい動きではありません。 解説では、この神楽は三番叟の鈴ノ段からとったと書いてありました。 長々と書きましたが、わかりにくかったらごめんなさい。 もっと詳しい方がいらっしゃったら、加筆・訂正してくださるとありがたいです。
お礼
非常に詳しい回答、本当にありがとうございます! わかりやすかったです。 秋になると「陰陽師」が見たくなります。 疑問が晴れてスッキリしました。 ありがとうございました。