どの保険会社の経営が安定しているか、というのは、
単純な問題ではありません。
プロでも予測が難しいのです。
例えば、世界一の保険会社AIGがあのような経営危機に陥ると、
予測できた人が何人いるでしょうか。
911事件がなければ、大成火災は存続していたかもしれません。
直近では、大和生命の破綻を予測できた人が何人いるでしょうか?
しかし、過去には、ある程度、予想を当てている会社があります。
それが、経済専門の週刊誌で有名な「東洋経済」です。
この会社は、年に一度、生保・損保のランキングや経営状態の
分析をして、特集号として発売しています。
図書館に行けば、バックナンバーがあると思います。
参考には、なると思います。
ついでに、ソルベンシーマージン比率は、数値の大小は
あまり意味がありません。
前回も述べましたが、2000%は、1000%の2倍安定している
ということではないのです。
極論すれば、1000%も2000%も同じ。
では、何が重要かというと、数値の変動です。
同時に、その中味です。
数値の変動は、急激に下がっている場合には、今の数値が高くても
要注意です。あっという間に、注意信号まで下がる危険があります。
また、決算情報の「価格変動準備金」「危険準備金」の動きに
注目すると良いです。
提示された3社では、東京海上あんしん生命の安定感が良いと思います。
あいおい生命は、合併により、安定感が増すでしょう。
しかし、トヨタが、あいおい生命の親会社、あいおいニッセイ同和損保の
大株主だから安定している……というのは、ちょっと違います。
合併により、トヨタは大株主であることには違いありませんが、
保有株式は、8.31%(2010年4月)でしかありません。
つまり、トヨタ単独では、何もできないのです。
ご参考になれば、幸いです。