このような質問には多くの方が回答を寄せると思い傍観していたのですが、24時間以上経ってどなたも回答をされないので、お答えします。
宗旨替えすること自体には、費用は全く不要です。
どの宗旨からどの宗旨に移ろうと、この宗派からあの宗派に替わろうと一円も要りません。
なぜなら、特定の宗旨の教義を自分の生きる心の糧、拠りどころとするのですから、金銭的な事柄とは全く次元が異なるのです。
以上のことを念頭に置いていただいた上で、あなたの質問の意図を推測してお答えします。
1 お仏壇に関する費用
既に禅宗のお仏壇をお持ちのようですね。
そうだとすると、お仏壇のご本尊やお荘厳(ショウゴン=飾りつけ)は、そのお宗旨の教義に従ったものとなっているはずです。
真言宗と一口にいっても、高野山、豊山派、智山派等30派を超え、それぞれに本山があり、お仏壇のお荘厳も異なります。
したがって、従来からあなたの家庭にあるお仏壇をそのまま礼拝の対象とすることができるか、一部の修正でよいのか、新調する必要があるのか、ということによって、お仏壇にかかる費用が異なります。
また、お仏壇の大小、質素なものからぜいたくなものまで色々あるので、それらによって費用が異なることは、いうまでもないことです。
なお、新調する場合は、是非ともご縁をお頂いたお寺さんの僧侶に相談をして助言を受けて下さい。
仏壇・仏具屋さんの全ての人が、各宗旨・各派の教義などを熟知しているわけではありません。
既にお寺さんとご縁をもたれているのですから、当初から僧侶に相談することをお勧めします。
そのためのお坊さんでもあるのですから。
2 僧侶等への法礼
この費用が、有ってないような、無くて有るようなものです。
ご本尊をご本山から賜る費用は、どこのお宗旨も定められているはずなので、僧侶に尋ねるとよいでしょう。
僧侶への法礼については、多くの人が一番頭を痛めるところです。
法礼は、本来は「布施」であり、僧侶が法事を行ってくれた労力に対する対価や労賃ではないのです。
したがって、僧侶に金額を尋ねても、僧侶も答えられないのです。
「お布施」は寄進する側で決めるものですから。
とは言え、お布施は僧侶の生活の糧であり、教団維持には欠かせないものでもあることは明白です。
そこでヒント
在家の者が修する最大の法要はなんでしょうか。
ご本尊をお迎えする入仏の法要と葬儀との二つですよネ。
そして、入仏の法要はありがたさに溢れ、歓びに満ちた法要です。
この一生に一度のありがたい法要の導師を勤めて下さるのですから、あなたの生活費を切り詰めなければならないような高額な金額でないにしても、出来る限りの「布施」はしたいと思うのが自然ではないでしょうか。
ヒントをもう一つ
お仏壇や墓のことは先ず僧侶に相談すべきですが、法礼については坊守さん(僧侶の奥さん)に尋ねると案外教えてくれます。
「お心でいいんですけど」といいつつも「この間のお宅は○○円でした」などと暗に示唆してくれます。
最後にひと言、僧侶に来てもらったときは、法礼の他に「お車料」を渡すのが通例です。
以上が、一般的なことで、その地方、その地域、親族一統等による慣習があれば、その点を加味されるとよいでしょう。