文章や表で内容が同じものを書く時、「〃」で省略して表すことがあると思います。
キーフレームと普通のフレームの関係もこれと同じで、キーフレームは具体的な内容が書いてある部分に、普通のフレームは近隣と同じであることを表す「〃」にあたります。
両者を挿入するコマンドは、上記の通り役目の異なるフレームをそれぞれ挿入するコマンドです。
「キーフレームの挿入」では具体的な内容(ムービークリップなどの絵や音、スクリプトなど)を表現できるフレームが、「フレームの挿入」は、自分では内容を持たず、すぐ前のキーフレームと同じ内容を繰り返すだけのフレームが挿入されます。
「キーフレームの挿入」では直前のキーフレームが複製され、同じ内容のフレームが作られることがあります。
結果的には同じ内容を繰り返すフレームを作る「フレームの挿入」と同じ動作になるので、両者の違いが分かりにくいのではないでしょうか。
これは実際にやってみることにしましょう。
「新規作成」で新たにドキュメントを作り、ステージに何か絵を描いてください。丸や四角などで構いません。
タイムラインを見ると、キーフレームが1つ作られています。
このキーフレームの隣に「フレームの挿入」で普通のフレームを挿入し、タイムラインで挿入された方のフレームを選択してください。キーフレームと、同じ内容になっています。
キーフレームを選択して、色を変えるなど絵に何か変更を加え、再度、次のフレームを選択してみてください。キーフレームを変えただけのはずが、普通のフレームの方も変化してしまいます。
では、キーフレームを挿入した場合はどうでしょう。
同じ要領で絵を描き、キーフレームの次に、今度は「キーフレームの挿入」でキーフレームを挿入します。直前のキーフレームが複製されるので、同じ内容のフレームができる点は「フレームの挿入」と変わりません。
前のキーフレームに戻って絵を変更し、挿入された方のキーフレームを見てみてください。普通のフレームを挿入した場合は連動して変わるところですが、キーフレームを挿入した時は変化しません。
これはつまり、挿入した直後は同じになっていて何か関係があるように見えるけれど、実際にはキーフレームはそれぞれ独立していて他のキーフレームとは干渉し合わないということです。
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正式な文書では、意味が曖昧になる「〃」で省略しないことが一般的です。
それが常識とはいえ、同じ内容を逐一書くのは時間も労力もかかりますし、万一、苦労して書いたものが間違っていたことに気付いたり、後から内容が変更になって書き直しだなんて話になった時には、どっと疲れてしまいますよね。
Flash でもこんな事情は似たようなもので、同じ内容を繰り返すためにいちいちキーフレームを作っていたら容量がかさむ上に、後で修正したくなった時はキーフレームをそれぞれ直さなくてはならず、とても不便です。
そんなことにならないように、Flash には「〃」と同じ役割を持つ普通のフレームが用意されていて、格式張らずにごく普通に使っていいことになっています。同じ内容を続けたい時はキーフレームの続きに普通のフレームを挿入すれば、修正する時もキーフレームを1つ直すだけで済みます。
普通のフレームによる繰り返しは、アニメの速度の調整やタイムラインを使って鳴らす音のタイミングを合わせる時などに使います。
文書で「〃」だけがいきなり出てきても、何と同じなのか分からず意味がないように、普通のフレームも同じく、必ず、繰り返すべき内容を持つキーフレームと一緒に使います。
普通のフレームは主体性がなく、直前のキーフレームの内容を見て単純に同じ内容を繰り返すものです。
ですから、普通のフレームには絵やスクリプトなどを入れることができず、それらを実際に配置できるのはキーフレームだけなのです。
なお、キーフレームは確かに絵や音・スクリプトを持つことができますが、別にこれらが何も含まれていなくても構いません。
何もない空白のキーフレームの後に普通のフレームを入れると、空白を続ける=何もしないで待機するという動作になります。
空白のキーフレームを挿入するコマンドもありますので、機会がありましたら利用してみてください。
お礼
すみません質問の仕方が悪かったです。落ち着いてもう一度質問させてください。