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十三代仁左衛門と当代仁左衛門について

先日NHK「あの人に会いたい」で十三代仁左衛門さんを拝見致しました。 そのなかで 「菅相丞は片岡家にとって大切なお役」 といった内容の発言をされていましたが、松嶋屋以外に相丞様を当り役とした俳優さんは誰でしょうか? また十三代目と当代の演じる相丞様にはどのような違いがありますか? 三月大歌舞伎で「道明寺」を観劇するので、事前に色々と勉強したいと考えています。

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回答No.1

ワタクシも十三代目の舞台をそれほど見たわけではありません。丞相さまは見たことないです。 なので、当代との、雰囲気の違いくらいしか言えませんが、 まず、当代は背が高いので押し出しがいいです。このお芝居の道真は、半分神様ですから、人間に見えてはいけません。そういう意味で難しい役なのですが、 当代は威厳や、ノーブルな雰囲気、カタチの美しさなどで他を圧倒するかんじです。 先代は、そこまで大きくありません。全体として、もっと優しく、はかなげな印象でした(女性的という意味ではないです)。 当代も伊左衛門などの傾城買い狂言の若旦那の役をなさいますが、ワタクシはあまり評価していません、顔が二枚目なので見た目だけという気がしますよ(笑)。 もともと丸本ものの重厚な役が本役という気がします。 若い頃二枚目の役が多かったので逆の印象を持っているかたが多いだろうなとは思いますが。 十三代目は、そういう放蕩息子の役がみごとにはまるかたでした。 明治生まれ、戦前戦後の役者さんですから、上方のいい時代の生活感が本当に身についていたのです。 特に昔の役者さんは口をそろえて言いますが、こういうのは習って見に付くものではなく、ほんとうに「育ち方」「雰囲気」であって、理屈ではないのです。 ワタクシは十三代目の書いた本も持っていますが、本当にいい意味で浮世離れした、誰にでもやさしいかただったようです。 そういう雰囲気を持ったかたの丞相さまは、まさに「平安貴族」「人間とは違う何か」に見えたことでしょう。神格化された中に、家族や弟子、外弟子である見知らぬ子供たちへのやさしさがあふれたお芝居だったろうなと思います。 想像で申し訳ありません。 松嶋屋の家系以外での丞相さまですが、 そもそも「菅原」で、よく出るのは「寺子屋」と「車引」、「桜丸切腹」くらいです。明治以前はとくにそうです。 昔は「松王下屋敷」というお芝居がありました。寺子屋の直前、松王と千代の物語です。今は出ません(笑)。 なのでそもそも歌舞伎で丞相様の出る段はあまり出ないのです。もともと文楽ですし、文楽向けの演目だと思います。 「当たり役」というほど道真をやった、松嶋屋系以外の役者さんを、ワタクシは知りません。「上方の役者さんじゃないと雰囲気的にはまらない」という縛りがあるのも難しいところです。 江戸の役者さんがやると、お侍になってしまうのだと思います。 あと、 「相丞」じゃなく「丞相」ですよー。「大臣」を意味する唐名です。「菅原大臣」を中国風に言ったかんじです。 本来の読みは「じょうしょう」で、「しょうじょう」は誤読なのですが、慣用的に定着しています(笑)。 「道明寺」の解説ページを貼っておきます。 http://blog.goo.ne.jp/yokikotokiku/e/bf6c5f394c65ea38e6b419859032a251

参考URL:
http://blog.goo.ne.jp/yokikotokiku
fjnok
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました! 誤記お恥ずかしいです。 大変勉強になりました。