力の作用点(別名;着力点)と力点について
着目物体に対して力が働いている場合、この力が作用している点が「作用点」(ベクトルにおいては、矢印の根元部)であるが、力点は、いったいどう(どこの位置)と考えれば良いのでしょうか?
<例1>ハンマーで釘を打っている状況
着目物体である釘の頭頂部は、力を及ぼされている(力が掛かっている)点なので「作用点」であるが、一方でハンマー(人間の手)からの力を加えている(力を入力している)点でもあるので「力点」とも言える。
∴この場合は「作用点」と「力点」との位置(箇所)が、全く同じであり、いずれの点も人間(の手)側ではなく着目物体である釘側にあると言えると思うが、いかがでしょうか?
<例2>物体(ボール)を糸で引っ張り上げた状況
「作用点」は、糸とボールとの接続点であるボール側にある。
「力点」は、糸を持っている人間の手(指)と糸との接続点である糸側にあり、人間の
手(指)側にはないかと思うが、いかがでしょうか?
<例3>回転軸:oを持った長さ:Lの棒を水平方向に置いてあり、o端ではない端に
糸を接続し、この糸を人間の手で引き上げる状況
「作用点」は、糸と棒との接続点である棒側にある。
「力点」は、糸を引き上げている人間の手(指)と糸との接続点である糸側にあり、人間の
手(指)側にはないかと思うが、いかがでしょうか?
以上 「力のモーメント」に出てくる(腕の長さ,別名;モーメントアーム)を
考える際に、支点,作用点,力点を意識する必要があり、各文献で「作用点」と「力点」とが混用されている(支点は、回転軸上の点;oと明確)ように思い、伺うものです。
一方、「てこの原理」を説明したシ-ソの例では、上記3つの点が明確に分かれており、
判り(理解)やすい。重い荷物側が「作用点」、力を加える(軽い)側が「力点」である。
初歩的事項ですが、宜しく指導のほど、お願いいたします。