おっしゃる通り逮捕された側は「被疑者=容疑者」であり、
刑が確定するまでの間はあくまでも「推定の無罪」で、憲法上でも
「疑わしきは罰せず」という、大原則が絡んでいることも関係してきます。
意外と勘違いしている方が多いようですが、逮捕する際
「必ず手錠をかけなければならない」と思い込んでいるようですが、
それは全くの大間違いです。
では、なぜ逮捕する際手錠をかけるのかといいますと、その理由はただひとつ、
被疑者が逃亡するのを防ぐため以外にありません。
また、手錠は簡単に壊れないため、逃亡されたとしても簡単に発見できる
重要な目印にもなります。
被疑者が警察に自首した場合や、国会議員・社長など社会的に地位の高い人物を
逮捕する場合、逃亡する恐れがないと判断されうるため、手錠をかけることはほとんど
ありません。
本件における「犯人逮捕の映像のとき、手錠を映さないのはなぜ」という
理由ですが、法令に基づいた根拠として警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき
心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関して必要な事項を定めた国家公安委員会規則
「犯罪捜査規範」の条文に記載されています。
※犯罪捜査規範 第127条
(手錠および捕じようの使用)
第127条
逮捕した被疑者が逃亡し、自殺し、または暴行する等のおそれがある
場合において必要があるときは、確実に手錠または捕じようを施さなければならない。
2 前項の規定により、手錠または捕じようを使用する場合においても、
か酷にわたらないように注意するとともに、つとめて衆目に触れないように
しなければならない。
第127条2項「つとめて衆目に触れないようにしなければならない。」と
いう規定により、手錠は衆目(人目)に付かないようにするための規定が盛り込まれています。
手錠は通常上着やタオルなどで隠したりするものですが、やむなくカメラに映ってしまった場合は
テレビ局のスタッフにより手錠の部分にモザイクやぼかしを入れたりして手錠が映らないようにするなどの
措置を取ることになっています。
お礼
おそらく人権問題だとは思ってましたが、逮捕そのものはいいけど、手錠がいけないというところが、ぴんとこないところだったのです。 ありがとうございました。