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切手収集の海外の現状
日本では切手収集はすっかり廃れてしまって、今や往時の記念切手がチケットショップやヤフオクで投売りされていますよね。 ところで、海外でも切手収集はやはり廃れているのでしょうか? 最近eBayに初めてアクセスしてみたのですが、カテゴリのトップに切手のカテゴリがあったので、海外では切手収集はいまだ盛んなのか?と驚きました。
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日本で切手収集が廃れてしまったのには、特殊な事情があります。 そもそも、切手収集、いわゆるPhilately(郵趣)は、海外では「King of Hobby(趣味の王者)」と言われるくらいで、世界一の切手コレクションはイギリス王室が作ってますし、ルーズベルト大統領、フェラーリ卿など著名な収集家も多いのです。 一方、我が国では戦後、高度経済成長期に初めて切手ブームが起こりました。 しかし、このときのブームは、記念切手を買っておけば将来値が上がって儲かるだろうという、不純な動機のものが多かったのです。 これは、「政府の永久保証があるから絶対元本割れしない」という一部悪徳業者が、よく詐欺に使われる口実で煽ったこともあります。 これに踊らされた人たちは、みんなシート買いに走り、趣味とは名ばかりで、株投資をするように集めました。 しかし、これはあっという間にバブルがはじけて価格崩壊し、その当時ため込まれたシートが、今、金券屋などに投げ売りされてるわけです。 常識的に考えて、「政府保証」はその額面でいつでも郵便に利用できるというだけで、郵便局で換金できるわけじゃないし、郵便料金も値上がりします。 早い話が、50年前に10円で買った記念切手が今50円に値上がりしたところで、いまの封書料金は80円ですから、当初の価値はないわけです。 まして、そんなケースさえ少なく、戦後の記念切手の大半は額面割れしてるわけですし… それやこれやで、日本の収集家の大半は、だまされたという気分になり、一気にイメージダウンしてしまったのです。 ちなみに、競馬なども似たようなことが言えますね。 英国では貴族の趣味として風格がありますが、我が国の場合は単なるギャンブルで、いいイメージはありません。 一方、健全な趣味としての郵趣は、当時金儲けに走らなかった人たちを中心に続いてきましたが、最近はそれも怪しくなってきました。 これは日本郵政の切手発行のポリシーが変わってきたからです。 かつての記念切手は、収集家向けに年に数回程度しか出ませんでしたが、今の記念切手の一年間に発行する種類(発行枚数じゃなく種類数)は世界でもトップクラスです。 これではシート買いどころか、一枚ずつ集めても金額的に大変です。 今の日本の記念切手は集めるためではなく、使うためにあるといっても過言じゃありません。 図案も渋い浮世絵や国立公園の風景じゃなくて、キティちゃんやアニメキャラなど、使ったほうが楽しめるものが主流です。 これでは、伝統的な郵趣を楽しもうとする人たちが離れていくのは当然です。 欧米でも同じような傾向がありますが、趣味としてのの歴史の長さが違いますし、日本ほど発行種類数が多い国はそんなにありません。 それと、本当の意味での資産価値がある切手も多くあり(主に戦前のものですが)、美術愛好家と同じカテゴリーで楽しんでいるセレブの方々もいます。 なので、国際的にはまだまだメジャーな趣味の一つといえるでしょう。
お礼
なるほど、歴史と背景の違いが大きいと言うことなんですね。 記念切手の発行頻度もそんなに違いがあるのですね。 私も小学生の頃ブームに乗って切手を集めた口なので、見覚えのある切手がチケットショップやヤフオクで投げ売られているのを見ると、心が痛い思いをしておりました。 詳細に説明いただきありがとうございました。