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スーツに関して
スーツに関する質問です。 ・トラウザーズはプリーツが入っているほうがフォーマルなのでしょうか? ・ジャケットは2つボタンと3つボタン(段返り)がありますが、私には同じように見えます。具体的な違い(見た目、雰囲気、似合う体型など)を教えてください。 ・ボタンの素材として最良なものとは何でしょうか?私は水牛ボタンがいいと思っているのですが、サヴィルロウのテーラーでもプラスティックのボタンを用いることがあるというのを耳にして疑問を持ちました。 番外編 ・ハリスツイードの品質が落ちたとよく言われますが、本当にそうなのでしょうか?旧来のものとの違いも含め教えていただきたいです。また、グレーのツイードはアメリカのイメージがありますが、イギリスでも着られていますか? 多岐にわたりましたが、どれか一つでもいいので教えてください。
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質問者が選んだベストアンサー
ニューヨークに戻りました。質問者さんは相変わらず理論先行 のようですが、考えるより、とにかくまずは色々と着てみて身体で 感じられてみては如何でしょう。習うより慣れろ、でしょうか。 スーツにおいて最も大切なことは、とにもかくにも首から背中が 自然にフィットした着心地の良さにあり、スーツ自体があなた の身体の8割強を覆ってしまうものなので、あなたの体型の アウトラインについて、世界で唯一あなたの体型をナチュラル、 ナチュラルながら、よりたくましく、そしてかつエレガントに、 いわば一筆描きのようにさらりと描き出すものが良いのです。 そのためには上着の尻回しが美しい円を描きつつ腰回りにフィット し、トラウザーズの渡りへのラインへと自然に繋がっていくことも 大切なことのひとつです。こうしたことは様々な素材で 実際に服を仕立てて見ない限りなかなか実感出来ないことです。 私自身は既製、カスタム(服を注文するのにオーダーという英語は ない。)含め今までに600着くらい求めましたが、未だわからない ことも多いです。 さて基本的にはNo.1,2の方のコメントの通りと思いますが、 少々付け加えるならば、三つボタンの段返りとは、そのオリジンは ブルックスブラザーズのNo.1モデルにあり、ということです。 これは少々日本の着物の着流しに近い”哲学”を持った服で、 かつての日本人のようにテカテカのポマード頭やピシッと串を入れた で着る服などでは決してなく、とにかくアメリカの知的エリートが 社会において権威主義的、もしくはワル目立ちしないよう、仕事場で あくまでもサラリと羽織って着ることを目的とした服なのです。 日本においてこの型の服のことをやたら”一型”と言う方々が いますが、今まで”一型”という言葉を使う方で、正しくアメリカン トラディショナルモデルを理解している方にお目にかかったことは ありません。おそらく英語が出来ずないため原書が読めないことが 原因のひとつではないかと思われます。 テイラードのコート(上着)についての結論は、全体のサイズが 適切にフィットしているものであれば、ウエストマークの位置の ボタンのみを留めるのが、最も自然で無理のないシルエットを 創り出すということなのです。 3つボタン段返りのモデルの特徴は、本来は第二ボタンの3/4" (約2cm)上の位置にて襟を返すのが正しいとされてはいますが、 仮にボタンスタンス(上前のボタンとボタン間隔)を4 1/4"(約11cm) とするならば、その際 第一ボタンのボタン穴は正面から見て3分の2が ラペル上に見える形となります。故にこの場合ボタンの穴かがりに ついては第一ボタンのみ、本来は裏側となる部分を表のかがり方 をするのが特徴です。つまりここにおいても最初から第一ボタンを かけないことを前提にした仕様であるということです。 またエリの返りについて、日本では”甘い”、“辛い”などと 表現するようですが、3つボタンの服で、ほとんど第二ボタンホール の部分で”甘く”返ったエリもあって、このケースではほとんど 第一ボタン全体が正面からラペル上に丸出しとなってしまっています。意図的なのか、または技術的な拙さ(いくつか原因がある)によるのか、ハッキリしない部分はありますが、最近割とよく見かけます。 3つボタンの上着についてはのデザインは、それこそ無数にあるわけ ですが、仮に第一ボタンの部分で襟が返っていても、あえて止めずに ウエストマークの位置(つまり第二ボタン)だけ止めれば良いのです。 スーツとは、大人の男の”心のゆとり”を表現するものである共に 男性的なたくましさを表現しなくてはならないものなのですが、 それを受け持っているのが胸部のドレープと襟の”甘い”返りなの であって、もし3つボタン上二つ掛けの上着をお持ちでしたら、 上二つ掛けた時と、ウエストマークのボタンのみを掛けた時との 胸部のシルエットの違いを御自身の身体をぜひ真横から見比べてみて ください。 似合う体型云々については、あえて言えば、頭や顔が大きいので あれば、Vゾーンが深い方がベターです。2つの同じ大きさの円の 下に、辺の長い二等辺三角形と、片や短い辺の二等辺三角形を描いて みて、少々離れてみれば辺の長い二等辺三角形の方の円の方が 小さく見えることに気が付かれるでしょう。つまり現在 日本独自に 流行しているゴージラインが高く(長い首を長く見せ過ぎない)、 襟巾狭く、Vゾーンが極端に狭いスーツ(顔を小さく見せ過ぎない)は、どちらかと言えば細面で、首が長く、華奢な体型の、年齢が 若い男性向きのデザインと言え、そうでない体型の人には 別に 視覚的にベターなデザインはあるということです。 サヴィルローについて、十羽ひとからげとすることにはやや無理 があり、もし何か言いたいのであれば、店別に指摘するべきです。 また同じ店であっても、時代によってオーナーの違い、マスター テーラーの違い、そして何よりも顧客の志向、好みの違いで随分と 服のムードも変わってきているので、あくまでも個人的な見解、 ということしか言えません。 例えばプラスティックのボタンは、アンダーソンアンドシェパード がサヴィルローにあった時分には(現在は近所に移転している)結構 使ってましたよ。以前 綿谷画伯が同店で作られましたが、やはり ボタンはプラスティックでした。現在ではどちらかと言えばホーン ボタンを前面に出しているようですが。 サヴィルローのテーラーにはナポリあたりから修行に来て、 そのまま居ついてしまったテーラーもいて、彼らの中にはやはり ヴェジタブルアイボリーが好きな人もいますから、これについても 何がベストなのか、その判断は難しいでしょう。桜が好きな人も いれば、梅がいいという人もいる。またチューリップが最高という 人もいるでしょう。この世界で大切なことは、自分にとってのベスト をやたらと他人に押し付けないことなのです。 最後に、ハリスツイードについては、今の素材の質が落ちている 云々よりもウエイトの軽いものが増えてきたために、着こんでいって も昔のような風合いが出て来にくくなってきたことに問題の本質が あるように思いますが。
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- Aoki Ken(@kenaoki)
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No.3です。もしスコットランドへお出掛けの機会があれば、 まだまだ昔ながらのヘビーウエイトのハリスツイードは売られて います。また仮にシングルモルトのお酒を嗜まれたり、またゴルフが お好きであったりするのならば、そうしたご趣味と合わせてポンド安、 ユーロ安の今日御旅行に出掛けてみるのも一興かもしれません。 それから、グレーのツイードに関しては、確かにアメリカ人好みの 部分があるかもしれません。特にヘリンボーン柄のものに関しては これについてもかつてのブルックスブラザーズの功績が大きかった ようです。本来のツイードは、ジュ二パーはじめ天然の染料を用いる ことが多く、自然とカントリーサイドになじむ色調となったのですが ニューヨークやボストンなどの東部やニューイングランドの都市部に おいてツイードを着る場合、やはりグレーが都市部の石やコンクリート の素材になじむという考えはあったようです。これはグレーフランネル にも言えることですが。昼でも暗い高層ビルの谷間では、信号の赤だけ やたらと目立つことがありますが、ビジネスウエアとしては、やはり グレーが街並みに溶け込みやすい色調のように思います。対して 夜にオペラ, かつてはディナージャケット(タキシードのこと)で 出掛けたものですが、近年では代わりにミッドナイトと呼ばれる ダークネイビーのスーツが多くなってきました。この色の方が 夜の灯かりの下ではより黒らしく見えるものです。
お礼
ご返答ありがとうございます。 スコットランド旅行、行ってみたいです。検討してみようと思います。 イギリスの自然の中では茶系、アメリカの摩天楼ではグレー系という感じですか。ぞれぞれの場所に調和する服が求められるのですね。
- miyareo1A
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No.1です。 段返り3つボタンはアメリカで始まったと記憶しています。スーツがまだ3つボタンだった頃に、アメリカ人は着やすさというか快適性から一番上のボタンを残しつつVゾーンを広げて胸を楽にしたのです。ヨーロッパではイタリアで段返り3つボタンをよく見ます。アメリカで仕立て屋にイタリア人が多くこれがイタリアに持ち帰られたものです。スーツの元であるイギリスでは、アメリカで生まれた段返り3つボタンは好まれないのでしょう。3つボタンのスーツなら段返りではないスーツがイギリスでは主流です。 国内で最近3つボタンといえば段返りなのは、スーツのVゾーンが広いものが流行しているからです。Vゾーンの深さは20年くらい前は深いものが流行し2つボタンばかりでした。10年ー5年前くらいにVゾーンは最も浅くなり、このころは通常の3つボタンが流行しました。現在は再び下がっているので、2つボタンか段返り3つボタンになっているというわけで、3つボタンといえば段返りなわけでなくただの流行です。 それから、2つボタンであれ、段返り3つボタンであれ、3つボタンでれも、留めるのはウエストラインのボタンというのが正しいのです。3つボタンであれば真ん中のボタンだけをかけます。この状態で、1番上のボタンが広がってしまうのならそれはスーツのフィッティングがあっていないことになります。
お礼
ご返答ありがとうございます。 段返り3つボタンの出自や好まれる国がよくわかって参考になりました。問題はVゾーンの広さの流行によるものだったんですね。フィッティングに関しても勉強になりました。
- miyareo1A
- ベストアンサー率41% (5/12)
・1800年代末ごろの比較的細いTroudersのころはPleatは無く、1910年くらいに1Pleat、1930年代に太いTrousersが流行すると2Pleatsになり現代に至っています。フォーマルでも2Pleatsが多いと思いますが、フォーマルかどうかではなくTrousersの太さによると思います。 ・2つボタンは上のボタンのすぐ上からラペルの返りが始めりますが、段返り3つボタンのほうは、もっと上からラペルのの返りが始まり少しVゾーンが狭くなります。ちなみに、Savile Rowにいた方に聞いたところ、段返り3つボタンを作ったことがないそうです。イギリスでは段返り3つボタンは少ないようです。 ・私の経験では、国内のTailorでは、Bespokeでも標準でプラスチックボタンのことがありましたが、Savile Rowでは、ボタンについて指定もしなければ水牛の角ボタンでした。水牛の骨を染めたボタンの場合もありましたがプラスチックは経験がありません。
お礼
ご返答ありがとうございます。 プリーツはフォーマルに関わりがないんですね。勉強になりました。 三つボタンと言えば段返りと思っていましたが、イギリスでは違うのですね。「ロー・ツー」とよばれるような二つボタンが一般的なのでしょうか。三つボタンの場合は三つボタン二つがけになるのでしょうか? プラスティックボタンはありませんでしたか。やはりいいスーツのボタンはホーンボタンに限りますね。
お礼
ご返答ありがとうございます。 理論先行・・・確かにそうかもしれません。回答者さんたちの意見をもとに試行錯誤していますが、ついついここに質問してしまいます。そうはおっしゃりながらも、いつも懇切丁寧に回答してくださるkenaokiさんの懐の大きさには頭が下がるばかりです。 スーツはボタンの数が問題ではなく、体にフィットし美しくみせることが大事なのですね。プラスティックもホーンも個人の好みで決めればいいというのも納得できました。ハリスツイードは質の低下ではなく軽くなってしまったということですか。残念です。