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注文服に対する疑問
スーツを購入する際に注文服を薦める人は多いですが いざ注文しようと思ったとき、"良いお店"というのは一体どうやって判断したら良いのでしょうか。 既製服であれば触って着てみれば(着用者に対しての)その良し悪しは分かりますが 注文服になると着用者の希望を聞き、いかにフィットするスーツを提供できるか というポイントが出てくると思うのですが、素人にはそこの判別がつきません。 また同じお店であっても店員の腕前によっても変わってくるのではないでしょうか。 特に注文服を誂えた経験が豊富な方、プロの方からの回答をお待ちしております。 また先の質問を踏まえた上で、ここは というお店がありましたら 是非教えて頂きたいです。当方、まだ20代のため予算は10万円ぽっきりしかありません。 主にティモシーエベレスト、ピータージョンストン、リチャードジェームスを 好んで着用しておりますので似たデザインの物を提供できる店ですと嬉しいです。
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- Aoki Ken(@kenaoki)
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ニューヨークから失礼します。注文服とは、もしかするとワイン にのめり込んでしまった方達と同じで、男にとって死ぬまで終わる ことのない道楽と言えるのかもしれません。女性は、出産により 命の再生が出来ますが、男性にとっては、つまりあなたの人生とは、 文字通りあなた一代限りのものなのです。 注文服とは、あなた以外の誰のためでもなく、誰のものでもない服 を作り上げるということに他ならず、贅沢と言えば勿論贅沢ですが、 自分というものを、外面だけでなく内面においても追求していく上 で、とても有効で大事なツールではないかと思います。 ティモシー・エベレストも、リチャード・ジェームスも英国人と いうよりもイングランド人です。ピーター・ジョンストンは、 スコットランド人ですが、サビルロウ的な服作りを目指している人 で3人に共通点がないとは言えません。 従って、もしどうしても注文服というのであれば、上記3人の ような、どちらかと言えば現代的英国スタイルの服を得意とする テーラーを尋ねるのが良いとは思いますが、現状、御予算10万円 いうことであれば日本人が言うところのパターンオーダーとか、 イージーオーダーであれば可能かと思いますが、御自身の型紙から 起こして作製する注文服、英米語ではFull Customと言いますが、 (フルオーダーは全くの日本語)こちらだとおそらくスーツで 20万円以上するのではと思われ、御予算的には少々厳しいかも しれません。 日本人は良くも悪くも、素人がものの良し悪しを判断しようとし、 また、愚かにもその優劣を競おうとしたりしますが、これは間違い です。物性の良し悪しはあくまでプロ側が判断することであって、 素人を自認しているのであれば、もっとも大切なことは自分は一体 何が好きで、何がキライなのかをはっきりさせることなのです。 よって”良い店”というのは、あくまでもあなたにとっての ”良い店”のことなのであって、例えばお店の人と コミュニケーションが取りやすい、お店の人が自分を良く理解して くれている、お店の作風が自分の好みと合っているなど、他人から 見れば、逆に良いお店ではないのかもさえしれないのです。そして こればかりは御自分の力で、御自分の服の世界観を、御自分の人生の 中で磨き、開拓していこうという、意気込みと意志がない限りは 難しいことです。従って注文服の世界というものは、古今東西 決して、万人向けのものではないのです。 日本は、たとえイリュージョンとは言え、平等が前提の世界です から、誰でもテーラーに行けば服を注文することが出来ますが、 欧州など、まだまだ階級社会の名残が残る世界においては、今でも 極限られた人達だけの楽しみなのです。 質問者さんは、まだ20代ということですので、私からの サジェスチョンとしては、現在の御自身の好みであるティモシーを 始めとする現代的英国スーツの作風をパターンやイージーオーダー などで追求しつつ、御自分の服に対する好み感性を磨きながら、 将来の注文服作製のための資金作りをされていかれたら良いのでは ないでしょうか。 既製服というのものは”流行廃り”、即ち時代性、時代感を表現 することがその使命なのであって、大切なのは”ルック”、つまり 見た目、具体的には服の前面のデザインこそ既製服の本質なのです。 そして既製服とは特定の個人に着られることを目的としたものでは なく、逆にそのことが日本人の国民性に合っているということも 言えるではないかと思います。 従って注文服との一番の違いについては、注文服では 一個人のへその位置、即ちウエストマーク、絞り線の位置を 特定させ、さらに背中をきっちり個人に合わせて作るということ なのです。つまり注文服の本質とは、”フィット”にあるのです。 故に流行とは関係なく、時代を超えて着用することが可能となる のです。 御自身について、既製品の時代感ある服のシルエットに見慣れて しまっていると、なかなか注文服の、個人のラインに合わせた シルエットが見慣れないこともあったりもして、意外と注文服が カッコ良く見えないことがあるのですが、実際日本のテーラーの 中には、各個人ごとに異なる体型を踏まえて、それぞれに美しい ラインを起こせる人があまりいないのではないかと思うことも あります。もっとも、これはあくまで私個人の考えですが。 このことはテーラーへ出掛けた際、例えばテーラーが着ている服が 御自分にとってカッコ良く見えるのかどうか、テーラーと波長が 合いそうかどうか、あくまで御自身の好みで判断しなければいけない ことなのです。 昨今、ゆとり教育の弊害が良く言われております。最近私が感じる ことは、若い世代の人達のコミュニケーション能力における著しい 後退、または欠如です。 注文服の世界に入り、愉しんでいくためには、やはり コミュニケーションスキルが欠かせません。その意味においても、 まずは、日本式のパターンオーダー、イージーオーダーにおいて 充分に経験を積まれて、御自分について、さらには御自分の好みに ついてなど、御自身がしっかり、はっきりと御自身を理解することを お薦めする次第です。