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インフルエンザのワクチンについて
12月にインフルエンザの予防接種をしましたが 何型の予防接種だったのか、教えて下さい。
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「何型の予防接種だったか」と聞かれれば、「A型とB型の予防接種です」というのが回答になります。 また、A型ではH1亜型とH3亜型が含まれています。 つまり、インフルエンザのワクチンはA型のH1とH3亜型とB型の3種混合ワクチンというわけです。 このA型B型というのは、実はインフルエンザウイルスの「型」ではなく、種のレベルで異なるウイルスなのですが、近年まで型別として分類されていたため、慣例的に現在でも型という言い方をします。 もうひとつ、C型のインフルエンザというのがあるのですが、これはあまり大規模には流行しないウイルスでそれほど問題にはならないため、ワクチンは製造されていません。 で、A型とB型ではA型が非常に変異が激しく、亜型も数多く分類されているウイルスです。 A型は元々カモなどの水禽類を自然宿主とするウイルスで、現在ヒトの間で流行しているA型インフルエンザウイルスは、全て元は鳥類から来たウイルスです。で、現在ヒトの間で流行しているのがH1N1とH3N2の2つの亜型なのです。これらはもうヒトの間で流行する「ヒト型」のウイルスになっているので、ヒトのH3ウイルスは鳥には感染しませんし、鳥のH3ウイルスもヒトには感染しません。 というわけで、ヒトの間で流行しているA型のH1とH3亜型、それとB型インフルエンザのワクチンを接種しているわけですが、同じH1やH3であっても微妙に抗原性が異なるため、H1やH3であれば何でも良いというわけにもいきません。 なのでWHOが流行状況を解析して、今年のワクチンに使う種ウイルスはこれだ、と推奨してそれを元に各国が種ウイルスを決定してワクチンを製造しているわけです。 それがNo.1の回答で挙げられた3つの株です。 ちなみにNo.1の回答はWHOが推奨した株なので、現実にワクチン製造に使われている株とは一部異なります。 日本では今年は以下の3株がワクチン製造に使われています。 A/Brisbane/59/2007(H1N1) A/Uruguay/716/2007(H3N2) B/Florida/4/2006 これを見るとH1N1とB型についてはWHO推奨株そのものですが、H3N2についてはWHOが推奨した株そのものではありません("類似株"ではありますが)。 その選定の経緯は以下のサイトに詳しく掲載されています。 http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/345/dj3452.html ま、平たく言えばA/Brisbane/10/2007(H3N2)株は培養が上手くいかなかった、ということです。 「株」というのは、例えばどこかの症例から分離されたウイルス、というように個別に用いる名称です。 インフルエンザウイルスの場合は、以下のような命名方を用いるのが国際的な慣例になっています。 AやBの型別/分離された動物名/分離された国や地方/その国やラボでの個別番号/分離された年(亜型) [分離された動物名]はヒトの場合は省略することが多いです。 つまりA/Brisbane/10/2007(H3N2)は、「ブリスベンで2007年に分離されたH3N2亜型の株」ということになります。 ちなみに例えば A/whooper swan/Akita/1/2008(H5N1) だと、2008年に秋田で大ハクチョウから分離されたH5N1株、ということになります。 なお、この命名方は別にインフルエンザウイルスだけでなく、ウイルスの株名に共通の命名方です。まあいつも誰もがこんな名前を付けているわけではなく、割と勝手に自分の名前+ナンバーのような株名を付けていることが多いのですが、最近は論文に書くときやデータベースに遺伝子の塩基配列を登録するときは、この命名方に従って株名を登録することが多いようです。
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- ksaionji88
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北半球と南半球で異なりますが今年は以下の株です。 2008/09インフルエンザシーズンに推奨されるワクチン株 ・A/Brisbane/59/2007(H1N1)類似株 ・A/Brisbane/10/2007(H3N2)類似株 ・B/Florida/4/2006類似株 2008/09インフルエンザシーズンに推奨されるワクチン株-WHO
お礼
ご回答ありがとうございました。 北半球と南半球で異なるのですね。
お礼
ご回答、ありがとうございます。 とても分かりやすい説明で嬉しく思います。