なんでしょうか?この手の誤解が多いですね。
Q/内蔵ハードディスクの消耗を抑える事は出来ますか?
A/消耗というのは目に見えるものではありません。電源が入っていれば物は使われますし、電源が入っていなくともベアリングなどの部品はグリスが劣化しますし、コンデンサは徐々に劣化します。抑えるというのをどのような意図で考えるかによりますが、そのようなことで消耗を抑えている効果は残念ながらほぼないでしょう。
「ある程度使うと交換しなければならない・・」
というのは、いつかは壊れるという意味であり、壊れなければ10年でも使い続けることができるという意味でもあります。即ち、使わないか、使う頻度が少ないから壊れないという意味ではなく、衝撃や予期せぬ電源異常、パーツの劣化によってものは壊れますから、○○をすれば○○をしなければ寿命が延びるというものではないのです。
ちなみに、余談ですがよくある誤解として、デフラグをしなければなどがWeb上ではありますが、それを根拠とする物理的実証はありません。もしそうだとしたら、OS上からデフラグなどの機能はなくなります。
では、何故こういう話題になるのかというと、メンテナンスソフトは壊れる寸前または故障状態で使うことが多いため、最後のトドメを指すことが多いためです。そのため、最後のトドメがデフラグになるケースやチェックディスクになることが多く、結果的にデフラグを頻繁にすると壊れるチェックディスクはしない方が良いという話になるのです。
そして、消耗品だからある程度使ったら交換すべきというのは、ある程度お金のある人間が予防のためにしていた話が、広まったか何かでしょう。
実際には、業務で24時間起動しリアルタイムでアクセスが生じてているサーバであっても、故障のアラームが上がらない限りはディスク交換はしません。そのかわり、バックアップを頻繁に行うのです。交換を短期間で行っていても、ロットによっては3日も持たずに壊れる不運のディスクもあります。交換すると言うことはそういう無駄な投資になるというリスクもあるのです。
そのため、多くの場合は、今まで動いた実績を加味しこれからも動く可能性が高いドライブを使い続けた方が投資的には得策なのです。
これに関しては、アクセスを減らして長持ちさせようという論議は無駄です。ハードウェアの規定動作温度を超える状況や本来の使い方を越えた不正な扱いをしているなら別ですが、そうでなければ、いつ壊れるか分からないからこそ元を取るために徹底的に使い潰しつつ、バックアップも定期的に行うことが大事なのです。即ち消耗を抑えるというのは、無理です。何せ、一番消耗している箇所がハードディスクのヘッドやプラッタ(ディスク)とは限りませんからね。
常に通電するフラッシュROMやコントローラなら、使わなくてもパソコンの電源を入れていれば寿命がいつか来て壊れます。尚、プラッタの記憶保持寿命は20~30年あり、先に壊れるのはモータやベアリング、電源、半導体回路で約3年~10年が一般的です。
お礼
ありがとうございました。