スキーとしての共通点は多いにせよ、190cmのスキーと90cmのスキーで同じ感覚で使用することに問題があると思います。
内足に対する意識は昔と今または、スキーのタイプによって大きく変わってきています。
まずカービングスキーが登場する前のスキーでは内足に意識を置くのはあまり得策ではありません。これは、そもそもそういった旧タイプスキーでは内足を使うことを前提において設計されたものでは無いからです。これは当時のスキー技術『外足側のスキーに十分な加重を掛けて、たわませることによってカービングする』という様なコンセプトが根底にあったからです。ですので、おおよそ95年以前のスキーでは山足を使うのは大変高度な技術になります。ただし、この時代でもワールドカップレベルでは両足を使うことは常套手段でありました。これは、このクラスになると速度とターンの切り替えしが非常に速く、山足側のエッジだけではターン時かかるパワーが支え切れなかった為です。単位長さ当たりのエッジが雪面から受け止められる力には物理的に必ず限界があります。この限界値を超えた場合エッジは必ず雪面からズレを発生させます。これを防止する最良の方法が、使えるエッジを長くし掛かる力を分散することだったです。すなわち、スキー1本分のエッジでは支え切れないなので、2本分のエッジをつかって力を分散させていたのです。
これに対し現在のカービングスキーでは『ターン時に雪面とコンタクトを両足を使って行う』というコンセプトが根底あり、そのように設計されており、今も進化を続けております。さらに、現在のカービングスキーでは回転性能を重視するあまり、かつてに比べサイドカーブは非常にきつく、それを生かすためフレックス・トーションとも非常に柔らかくなってます。これは、できるだけターンの早い段階からエッジを長く使える様にしている為で、この結果かつてのスキーと比較して、エッジに掛かる力の急激な変化に弱くなってます。すなわち山足を使わず、谷足から谷足へ切り替える様な動作には向いておらず、両足をつかってレールの上すべる様な動きが理想となります。
ショートスキーで内足を使った方が切れのある滑りができるも上記と同じごとが理由に挙げられます。ショートスキーは短い分だけ1本当たりの使えるエッジの長さも短くなります。この為、通常の長さのスキーと同じ速さでターンを行った場合どうしても山足側スキーのエッジだけでは体重を支えきれません。また、ショートスキーは通常の長さのスキーよりもサイドカーブがキツクなってますので現在のカーブスキーと同様なコンセプトに近い滑り方(すなわち内足を使う)のほうが切れある滑りできるはその為です。
お礼
なるほど!特に後半は大変納得できました!そうです。ショートスキーになれて高速で滑ると、外足一本では雪をえぐったりずれたりし、また凹凸に対応できなくかなり怖いので必然的に両足加重両足ターンの感覚をつかめました。 ただ、少し不安なことは、将来的にSAJ1級を取得したいため、このままショートスキー(またはカービングスキー)で練習していっていいのだろうか?いうことがあります。ショートスキーではだんだんジャンピングターンの意味を理解してきているのですが、これはスキーの性格であって技術ではないから、ちゃんと基礎スキー用の板で努力しなくてば意味がないのではないかと思ったのです。 おっしゃるように以前の板での両足ターンは相当に難しいらしいので、やはりショートで出来た気になっていてはいけないと感じました。実際190センチの板ではまったく両足加重に近づけませんでした。 あつかましいですが、もう一つ聞かせてください。検定でのカービングスキーはどう理解されているのでしょう? ともかく、内容の濃い回答ありがとうございました!