こんばんは。鉄道会社で電車運転士をしております。
>運転士は車掌に連絡して、自分で窓からうしろを見ながら後退させるのでしょうか?
そうですね。
車掌は車掌弁(非常ブレーキを掛ける紐)を持ちつつ、側面と後方(←これが非常に重要)を監視しつつ、運転士は側面の窓を開けてバックさせます。
列車のバック自体は、レバースハンドルを前⇒後にするだけで出来るので直ぐ出来ます。
あと、私の会社はJRではないので、レバースハンドルを切り替えれば直ぐバック出来るのですが、JR東日本の“ATS-P”には、後退検知装置が付いています。
これは上り勾配でやむを得ず停まった際、後に転がると危険な為、バックし始めると非常ブレーキを電車は勝手に掛けてしまいます。
上記のような「滑っちゃった」場合、この後退検知装置が作動してしまうので、ATSを切放(OFF)しなければなりません。
ATSには一般的に封印がしてあるので、当然その封印を解かなければならないので、指令に一報を入れる必要が発生します。
そして、乗務区に戻れば、当然怒られます(爆)
会社によりますがね。
信号を越えてしまった場合、そのままバックさせると、信号の現示が変わってしまいます。
■赤信号⇒前の電車が通過し黄色信号⇒しかし、バックした影響で赤信号に戻る。
当然、後続の列車はビックリしてしまいますよね。
また、最悪の場合、追突してしまう恐れもあります。
なので、指令に一報を入れ、後続列車が停止したのを確認してからバックと相成ります。
後続列車が近くまで来ていれば、バックできない訳で、そういう場合はその駅を通過し、次の駅から戻ってくださいとなる訳です。
決して戻せないわけではありません。
しかし、停止手配に時間が掛かるのと、後続列車が近づき間に合わないケースもあるので、この場合は偉く時間がかかります。
JRの場合、制動力の50%しか使わないブレーキ方法(要はブレーキを詰めない)ので、“滑る”ケースは稀です。